国民スポーツ大会(旧・国民体育大会)の廃止に全国知事会長の村井嘉浩・宮城県知事が言及したことを受けて、長野県の阿部守一知事は19日の定例会見で「ゼロベースで大会のあり方を考えることが必要」と述べ、見直しを求める考えを示した。存続や廃止の具体論には触れなかった。

 県は2028年に「信州やまなみ国スポ」の開催を予定する。運営経費は60億〜100億円規模の見通しで、大半を県が負担するという。

 開会式などがある松本平広域公園陸上競技場(松本市)では、施設の改修も進める予定で、阿部知事は「財政的な負担は非常に重い」と話した。

 大会は1946年から都道府県の持ち回り方式で開かれ、県で1回目となる「やまびこ国体」は78年に開かれた。

 阿部知事は、持ち回りのため県がノウハウを蓄積しにくく、冬季大会を開ける地域も限られるなどと指摘し、より広域での開催などが必要とした。

大会が2035年に3巡目に入るのをふまえて、「人口減少社会で価値観の転換が求められる。大会の目的や成果も含めて考えていくことが必要」とも語った。

 具体的なあり方については「全国知事会で整理したうえで改革を促したい」と述べるにとどめた。(高木文子)