【石川】能登半島地震で被災して壊れた仏壇や仏像、仏具のお焚(た)き上げが25日、輪島市門前町和田の専徳寺であった。吉岡聡住職(61)が読経した後、10軒ほどの門徒らが自宅から持ち寄った品々が燃やされ、門徒らは手を合わせて見守っていた。

 3月ごろ、壊れた家の片付けをする門徒から「仏壇などが壊れたが、どうしたらいいか」などの相談があり、お焚き上げをすることにした。

 半壊した自宅の仏壇から飛び出て、腕や脚などが外れた阿弥陀如来像を持ち込んだ、近くに住む松田昇一さん(81)は「捨てるわけにはいかず、どうしたらいいか分からなかったので供養して燃やしてもらった。ありがたいです」と話した。吉岡住職は「お焚き上げで皆さんに少しでも前を向いてもらえれば」と話す。

 室町時代創建の専徳寺では、地震で本堂が全壊。再建に向けてクラウドファンディングを始めたが、自宅が壊れた門徒も多く、費用のめどはまだ立たない。吉岡住職は「できることをやっていくしかない」と言う。お焚き上げは、今後も要望があれば月に1回程度続けていきたいという。(久保智祥)