富山県立山町役場の敷地内に26日、書籍売り場を併設したコンビニエンスストアが誕生した。「LAWSON(ローソン)マチの本屋さん」で、日本出版販売(東京都千代田区)と連携して全国展開しており、県内では初の出店。

 「マチの本屋さん」は2021年に始まった。埼玉県に1号店がオープンし、立山町は11店目。

 出版文化産業振興財団の22年の調査では、本屋がない「書店ゼロ」の自治体は全国で26.2%にのぼる。立山町も商店街に以前3店があったが、15年までにすべて閉店したという。その後、町民から「本屋がほしい」と声が寄せられ、町が書店開業を公募するなどしていた。

 新店舗の売り場面積は230平方メートルで、うち書店部分が59平方メートル。雑誌、コミックのほか、文芸、文庫、料理、パズルの本など約4千タイトル、7千冊をそろえている。

 特に、子ども向けに児童書を充実させたほか、地元出身の作家が関連するコーナーも。町内の女性(77)は「文庫コーナーがあるのがうれしい。これまで富山市内へ買いに行っていたが、便利になります」と話した。定期講読のほか、注文販売もできる。営業は6時〜22時。

 店内には、地域住民の交流を目的としたコミュニティースペースもあり、地域の交流の場としても期待されている。(前多健吾)