年々暑さが増すなか熱中症の危険性をわかりやすく伝えようと、環境省と気象庁が発表する「熱中症特別警戒アラート」の運用が始まっている。暑さを避けるため、市町村はクーリングシェルター(指定暑熱避難施設)を整備することになったが、茨城県内ではシェルターの指定が進んでいない。

 環境省は、気温や湿度などから算出した各地域の「暑さ指数」をもとにアラートを出し、不急の外出を控えるよう呼びかけてきた。しかし、温暖化の影響で年々暑さは深刻化。都道府県内の全地点で一定の指数に達すると予測された場合、前日の午後2時に特別警戒アラートを出し、いっそうの注意を呼びかけることになった。

 特別警戒アラートが出された場合、自治体は暑さを避けるためのクーリングシェルターを開設できる。冷房のある体育館や図書館などを事前にシェルターに指定しておく必要があるが、県が2日までに把握しているのは那珂市の8施設のみだ。

 那珂市では、市内全域をカバーできるよう地域ごとに公民館などを指定している。各施設のロビーなど5〜20人程度が利用できるという。

 大井川和彦知事は先月あった定例会見で、「夏シーズンまでには、最低でも各市町村に1カ所以上はシェルターがつくれるような働きかけをしたい」と述べ、市町村による整備を後押しする考えを示している。(宮廻潤子)