【大分】5日に玖珠町で開かれた「日本童話祭」には、名物のジャンボこいのぼりも登場し、親子連れらが大きな体の中をくぐりぬけたり、寝転んだりして楽しんだ。このジャンボこいのぼり、最近は町観光協会による出張貸し出しが好評で、大型連休中も連日予約が入っているという。

 ジャンボこいのぼりの第1号の誕生は40年以上前で、町民の寄付で作られた全長60メートルのこいのぼりといわれる。いまは60メートルの黒ゴイ、55メートルの青ゴイ、35メートルと30メートルの赤ゴイの4匹がいる。「くぐりぬけ」は第1号のころからあったとされ、町観光協会スタッフの平田智昭さん(49)は「子どものころにくぐって楽しかった」と懐かしがる。

 その名物を使って2022年、町の知名度アップと観光協会の収益増をめざして「出張くぐりぬけ」が始まった。依頼先にスタッフ4人で出向き、全長35メートル、胴回り15メートル、重さ120キロの赤ゴイを送風機で膨らませる。実績は22年度が14回、23年度が13回で、県内や福岡県内などのイベントや祭りを盛り上げている。

 一方、悩みは雨や強風に弱いことと、東京など遠方への出張が難しいこと。出張料は県内だと最低で約15万円だが、遠方になるとスタッフの宿泊費や交通費がかさみ、依頼はあっても実現していないという。

 町観光協会の担当者矢野隆之さん(43)は「くぐりぬけは全国でも玖珠町だけの試みだと思うので、次は九州の外に出て町をPRしたい」と意気込んでいる。(ライター・大畠正吾)