「白ウサギの知ろう詐欺!」。因幡の白うさぎをモチーフにしたダジャレのスローガンを掲げ、26団体が結集した。止まらない特殊詐欺被害をストップしようと、鳥取県内17の金融機関と業界団体や行政機関など9団体が7日、鳥取市の鳥取銀行本店で共同宣言を発表した。

 集まったのは鳥取銀行、山陰合同銀行、各信用金庫、都銀支店、JAバンク鳥取、生命保険協会県協会、県警、日本銀行鳥取事務所など。県金融機関防犯協議会の事務局を務める鳥取銀行の担当者によると、金融機関同士は営業面ではライバルだが、客の資産を守るという面で協力できると、考えが一致したという。

 宣言では、詐欺の手口の周知に努めることや店頭での声かけを強化することなどを表明した。26団体の代表者ら29人に、県警のマスコット「ぱとろーくん」も加わり、会場にずらり並んで「特殊詐欺被害を撲滅するぞ」とこぶしを振り上げた。

 今後、振り込み限度額の見直し、不正と思われる口座の調査強化などを進めるという。また、「留守電にして知らない番号は出ない」など、対策を記したカード型の「詐欺退散お守り」を顧客らに配る。

 県警によると、昨年の県内の特殊詐欺被害は74件(被害額3億3386万円)。一昨年の51件(同1億3481万円)を大幅に上回り過去最高を記録した。(奥平真也)