【2024年3月19日 星ナビ編集部】

レポート:星ナビ編集部

小惑星などの未発見天体を、研究者と一般の方々が協力して見つけるためのアプリケーション「COIAS(Come On! Impacting ASteroids)」が一般公開されている。

アプリ名の由来は『まんがタイムきららキャラット』で連載中の地学部漫画『恋する小惑星(アステロイド)』。「COIAS」のアイコンにも原作者・Quro先生書き起こしのイラスト(主人公・木ノ幡みら)が使用されている。

COIAS 「COIAS」Webサイト。(アイコン © Quro/芳文社)

「COIAS」では、すばる望遠鏡の公開画像を用いて、ウェブブラウザ上で手軽に太陽系小天体の捜索(検出・測定・報告)を行うことができる。特徴は、研究者でない一般の方がすばる望遠鏡の画像を使って、太陽系天体の捜索ができるという点だ。研究者でない人でも、最先端かつ本物の天文学研究に貢献できるというのは大きな魅力である。そんな「COIAS」は「太陽系の地図作り」「プラネタリーディフェンス」「市民天文学」「太陽系外縁天体・彗星・更なる未知な天体や現象」の4つをテーマに活動しているという。

「COIAS」はこれまで900名以上のユーザーによって利用され、7万を超える新天体候補の捜索に成功している。このうち45天体について追観測に成功して仮符号が習得され、このうち6つは太陽系外縁天体であった(2024年2月13日時点)。未解析データからは、太陽系外縁天体・活動的小惑星といった珍しい天体の検出も引き続き期待できる。また、これまで詳しくわかっていなかった直径数百m程度の小さな小惑星の軌道解明にも貢献が期待される。

COIAS COIASによる新天体発見数。8万個以上の新天体候補がCOIASによって発見されている

「COIAS」の詳しい使い方はWebサイトに記載されており、公式YouTubeチャンネルにも実際の使用手順を説明した動画が公開されている。興味がある人はぜひチャレンジして、『恋する小惑星』のような新天体発見を目指してみよう。

「星ナビ」2024年4月号(3月5日発売)で科学者系VTuber・星見まどかさんによる紹介記事を掲載している。

COIAS

星見まどかさんのYouTubeチャンネルでは、開発者・浦川聖太郎さんをゲストにしたコラボ配信動画を公開中だ。

(Youtube動画)