フェラーリF1のチーム代表であるフレデリック・バスールは、カルロス・サインツが来週オーストラリアでグリッドに復帰できると楽観的に考えているが、スクーデリアはサインツに最終判断を任せるつもりだ。

 サインツはサウジアラビアで虫垂炎にかかり、緊急手術を受けることを余儀なくされた。その後サインツは24時間後には退院し、土曜日はチームとともにジェッダ・コーニッシュ・サーキットで過ごした。

 近年、レースの週末に虫垂炎にかかったのはサインツがふたり目だ。アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)は、2022年にモンツァで開催されたイタリアGPの週末に虫垂炎にかかり、欠場を強いられた。アルボンの代役はメルセデスのリザーブドライバーだったニック・デ・フリースが務め、彼はF1デビュー戦を9位という見事な順位でフィニッシュした。その後アルボンは3週間後のシンガポールGPで復帰したが、サインツの場合、病気から完全に立ち直るための時間は2週間もない。

「これまでの回復は順調だ。彼が今日来場してチームと一緒にいることができたのは、非常によい兆候であり、我々にとって力強い支えだった」と先週末バスールはコメントした。

「彼は明日(日曜日)、私と一緒のフライトで戻り、1週間完全に休養する予定だ。彼が1週間後にいつメルボルンへ飛ぶか決めることになる。だが私はかなり楽観視している」

 サインツは次の週末にヨーロッパを出発し、月曜日にメルボルンに到着する予定でいる。彼はコンディションにかかわらずオーストラリアへ移動し、レースができるか現地で判断するようだ。

 レースに出場できない場合は、フェラーリのリザーブドライバーであるオリバー・ベアマンがふたたびサインツの代役を務めるだろう。ベアマンはサウジアラビアGPでF1の厳しい試練を見事に乗り越え、土曜日のレースを7位でフィニッシュした。

 結果的に、バスールは18歳のベアマンの奮闘に感銘を受けたのと同様に、虫垂炎にかかっていた木曜日のサインツのパフォーマンスにも驚かされた。

「これは一家の特徴だと思う! 私はカルロスをマシンから引き出せるほど強くない」とバスールは冗談めかして語った。

「彼は木曜日の朝にやって来たとき気分が優れず、『何周か試させてほしい』と言ったが、フルセッションをこなした。午後もまさに同じだった」

「すでのその段階で私は素晴らしいと思った。なぜならセッション後に彼は完全にダウンしてしまったからだ。FP1とFP2の結果を見ると、彼はかなりのペースを出していたし、ロングスティントさえ走ることができた。これは素晴らしいことだ」

「だが、これからはカルロスの今後に集中しよう。最も重要なのは、今日はプッシュしないことだ。回復すること、きちんと回復することが肝心だ」

「私は急がせたくないが、彼は大人であり、自分で正しい判断をするだろう。大幅に回復しているし、我々はメルボルンに集中しなければならない」

「彼は今週しっかり休む必要がある。来週会うことになるだろう」