レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、先週末のF1第4戦日本GP後に角田裕毅(RB)を熱烈に称賛し、彼は鈴鹿で完璧なパフォーマンスを発揮して、マックス・フェルスタッペンやフェルナンド・アロンソらと同じレベルにあったと主張した。

 角田の母国での週末は、間違いなく予想を上回るものだった。土曜日の予選ではRBのチームメイトであるダニエル・リカルドを楽々と上回り、Q3で10番手につけた。またレース当日は、ポイントを獲得できる最後の順位である10位を獲得するために激しい戦いを展開した。

 長いオープニングスティントを見越して、角田はミディアムタイヤでレースを開始したが、スタートで後退してしまった。しかしチームメイトのリカルドを含む1周目のクラッシュにより赤旗が出され、レースはリスタートを迎えることに。そこで角田は、グリップが優れているソフトタイヤに賭けた。戦略的な動きは見事に報われ、マルコが「今日のショー」と呼んだ大胆なオーバーテイク戦略のおかげで、角田はオープニングラップで3つポジションを上げた。

「2回目のスタートでは、裕毅は驚くほど素晴らしかった」とマルコは『SpeedWeek』に語った。

「彼のオーバーテイクの動きは、今日の見ものだった」

「ファンは有頂天になっていた。彼の週末はマックスやアロンソたちのレベルにあった。ホームレースのプレッシャーのなか、完璧で素晴らしいパフォーマンスだった」

 誰もが望むレッドブル・レーシングの2025年の空きシートに角田が目を向けるなかで、マルコの称賛はタイムリーに彼の自信を高めるだろうことは間違いない。しかし、現ドライバーのセルジオ・ペレスは、土曜日はフェルスタッペンにわずか0.066秒差でポールを逃したものの、レースは難攻不落のチームメイトに次ぐ2位で締めくくるという好調ぶりをふたたび見せたため、レッドブルとの契約更新に向けた彼のチャンスが損なわれることはなかっただろう。

「チェコ(ペレスの愛称)もとても堅調だった」とマルコは認めた。

「彼はピットストップでは運が悪かったが、(130R)コーナーでハミルトンに素晴らしい戦略を仕掛け、調子を戻した」

「彼がこれまでのところ、我々との最高のシーズンを過ごしていることは間違いない」

 レッドブルF1のチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、レッドブルは2025年のラインアップを決めるのに時間をかけると日本で繰り返し述べていた。マルコはホーナーの見解に同意し、F1のドライバー市場の現在の動きのせいで、電話をかけるようチームがプレッシャーをかけられることはないと主張した。

「私の意見だが、4月初旬にすでにうわさがこのように飛び交っているのは、いくつかの要因がある。まず、ハミルトンがフェラーリへの移籍を早めに発表した。そして、“パドックのうわさ”が信頼できるのであれば、アウディはカルロス・サインツ(フェラーリ)の決断を早急に求めている。アストンマーティンもいくつかの方向に圧力をかけている」

「我々はこうしたゲームには参加しない。人事の点で起きていることについては、シーズン半ばまでレッドブル・レーシングから耳にすることはないだろう」