5月21日、ロードレース世界選手権のMotoGPクラスに参戦しているモンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームは、ヤマハのテストライダーを務めるカル・クラッチローが、ワイルドカード参戦を予定していた第7戦イタリアGPに出場しないことを発表した。

 クラッチローは、2011年から2020年までMotoGPにフル参戦しており、現役を退いてからはヤマハのテストライダーを務めている。テストライダーに就任してからは、2021年から2022年にかけて合計10度の代役参戦、そして2023年の第14戦日本GPで初めてワイルドカード参戦も経験した。

 そんな彼がテストライダーを務めるヤマハは、今季からコンセッション(優遇措置)の対象となり、最大計6度のワイルドカード参戦が可能となる。そのうちの3度は第7戦イタリアGP、第10戦イギリスGP、第13戦サンマリノGPにエントリーする予定とされていた。

 しかし、5月31〜6月2日に開催される第7戦イタリアGPのワイルドカード参戦を見合わせることが発表された。クラッチローは今季、いくつかテストをこなす上で右手の痛みに悩まされており、改善のための手術を受けたという。その後の合併症が続いていることから、出場がキャンセルとなった。

 今後の右手の経過状態にもよりそうだが、第10戦イギリスGP、第13戦サンマリノGPに加え、昨年に引き続きヤマハのホームとなる第16戦日本GPへのワイルドカード参戦も実現されるかもしれない。