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 昨年の侍ジャパンU18高校日本代表メンバーが、次のステージで躍動している。代表20人のうちソフトバンク・前田悠伍投手、阪神・山田脩也内野手ら5人がNPB入りする中、12人が大学進学を決めた。今回は、春季リーグ戦で早くもブレイクの兆しを見せている選手を厳選し、紹介する。(成績は4月26日時点)

 

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安田虎汰郎(日大三→早稲田大)

 
 日大三のエースとして3年夏の甲子園で活躍した右腕。「魔球」と称されるチェンジアップを武器に持つ。
 
 U18W杯でも3試合に登板し、台湾戦で1回3分の2を投げて4奪三振無失点に抑えるなど世界相手にも力投した。
 

 
 大学は、狭き門であるアスリート選抜入試で早稲田大に進学。リーグ戦では早速ブルペンに入っている。立教大との開幕戦では、1−1の8回に救援登板。先頭打者に四球を与えたものの後続を断ち切ると、その裏打線が得点を奪い、勝利投手になった。
 
 1年生の春季リーグ初戦勝利は、2007年の斎藤佑樹(元・日本ハム)以来、17年ぶりの快挙だった。さらに、2日後の3回戦でも救援して1回無失点と好投し、再び勝利投手に。開幕から同一カードで2連勝するのは、斎藤でも成し遂げられなかった偉業だ。
 
 大学で最高のスタートを切った安田。同じくアスリート選抜入試で進学した高橋煌稀投手、尾形樹人捕手(ともに仙台育英)はU18でともに戦った選手で、しのぎを削る右腕・高橋も開幕戦からリーグ戦デビューを果たしている。

東恩納蒼(沖縄尚学→中央大)


 
 「ミスターゼロ」と称された安定感抜群の最速147キロ右腕。沖縄尚学では、3年時に春夏連続の甲子園8強入りに貢献し、夏は沖縄県大会から47回3分の1連続無失点の快投を披露した。
 
 また、U18W杯でも3試合に登板し計11回を無失点に抑えた。
 

 
 昨秋にはプロ志望届を提出するも指名はなく、中央大に進学。リーグ戦では第1週からデビューを果たした。駒澤大との2回戦、2番手でマウンドに上がると、6回3分の1を投げ3安打7奪三振無失点と好投。初登板で初白星を挙げた。
 
 さらに、第2週の国学院大戦では先発して5回1失点と試合をつくり、開幕2連勝を飾った。1年生が春季リーグ戦で開幕2連勝するのは、2009年の亜細亜大・東浜巨(現・ソフトバンク)以来、15年ぶりだった。
 
 驚くような速球こそないものの投手としての総合力が高く、1年生離れしたマウンドさばきが光る。伸び代も十分で、大学4年間でどれほどの投手に成長するか楽しみだ。

橋本航河(仙台育英→中央大)

 
 仙台育英では、安打量産型のリードオフマンとして一昨年夏の甲子園優勝、昨夏の準優勝に貢献した左の好打者。甲子園では2年連続で4割超の打率をマークし、中堅の守備でもチームを支えた。
 
 中央大では、リーグ開幕戦に「1番・中堅」でスタメン出場。その後も2番、9番などあらゆる打順でスタメン出場を続けている。
 

 
 開幕戦こそ3打数無安打に終わったものの、2戦目以降は1安打ずつを記録。少しずつハイレベルな東都リーグの投手陣に順応してきている。持ち前のバットコントロールと俊足を生かし、大学でも塁上をかき回したい。
 
 仙台育英の同期では、高橋煌稀投手(早稲田大)、仁田陽翔投手(立正大)、斎藤陽外野手(仙台大)らも、リーグ戦デビューを果たしている。甲子園を沸かせた男たちが、大学野球の世界でも存在感を放ち続ける。

緒方漣(横浜→国学院大)

 
 打撃、守備ともに世代トップクラスの実力を誇る内野手。1年夏、2年夏は甲子園に出場し、1年夏には1年生では史上初となるサヨナラ本塁打を放った。
 
 3年夏は神奈川大会決勝で敗れたものの、U18W杯では打率.542(24打数13安打)、5打点の活躍で世界一に貢献し、大会MVPを獲得した。
 

 
 打撃だけでなく内野守備も超高校級。申し分ない実績と実力をひっさげ国学院大に進学した。リーグ開幕戦は「7番・指名打者」でスタメン出場するも2打数無安打。その後は1番や6番を打ち、青山学院大との2回戦ではリーグ戦初安打をマークした。
 
 第2週からは二塁の守備にも就いており、ここまで10打数1安打ながら攻守ともに期待値は高い。
 
 レベルの高い東都リーグで成長し、4年後のプロ入りを果たすことはできるか。今後も大きな注目が集まる。

丸田湊斗(慶応→慶応大)

 
 昨夏、決勝で先頭打者本塁打を放つなど、慶応の甲子園優勝に貢献した左の好打者。甲子園では甘いマスクも注目を集め、「慶応のプリンス」「美白王子」などの異名をとった。
 
 また、U18W杯でも中堅の定位置を守り非凡な打撃センスを発揮した。
 

 
 慶応大では、リーグ戦開幕週から背番号「46」を背負ってベンチ入り。東大2回戦の8回、代打で初打席を迎えた。内角球をよけた際にバットにボールが当たり、三塁線へのゴロになった間に俊足を飛ばして一塁到達。ラッキーな形ではあったが初安打をマークした。
 
 慶応大の今年の打線は、4番に座る清原正吾内野手ら実力のある打者がずらりと並んでおり、スタメン奪取は容易ではない。それでも持ち前のスター性と高いポテンシャルを発揮し、早い段階での定位置獲得を狙う。

高中一樹(聖光学院→東洋大)

 
 チームを勢いづける打撃のできる右の好打者。堅守、好守を披露する内野守備にも定評がある。聖光学院では2年夏に甲子園で5割超の打率を残して4強入りに貢献。3年夏も主将として甲子園出場を果たした。
 
 U18W杯では限られたチャンスの中で結果を残し、台湾との決勝では決勝スクイズを決めた。
 

 
 高校卒業後は、東都2部リーグの東洋大に進学。リーグ開幕戦に「1番・一塁」でスタメン出場し、開幕戦と2戦目は無安打に終わった。
 
 しかし、立正大3回戦で5番に入ってからの3試合は2安打、3安打、1安打と快音を飛ばした。2部とはいえ、早くもハイレベルな東都リーグの野球に順応している。
 
 技術面はもちろん、強い精神面、高校で培ってきたキャプテンシーも魅力の一つ。大学でも経験を積み、4年後のプロ入りを目指して突き進む。

 

 

 
【了】