◆ ノーノーについては「どうせ無理と思っていた」

 開幕2戦目の先発を任された平良拳太郎が快投を披露。昨年苦手とした広島相手に快勝し、開幕から連勝を飾った。

 初回は宮﨑敏郎や度会隆輝の好プレーもあり、3人で仕留める好スタートを切ると、2回には先頭の四球でランナーを出すも併殺で切り抜ける。その後は積極的に仕掛けてくる広島打線を手玉に取り、3回から6回までをパーフェクトピッチングを披露。7回には初ヒットを許しノーヒットノーランの夢は絶たれた、がホームは踏ませず9回のマウンドへ。100球以下完封の“マダックス”の希望も残っていたが、広島打線に3安打を集められついに失点すると、三浦監督から交代を告げられお役御免となった。しかし8回2/3を105球、被安打4、失点1の好内容を見せ、今季初登板初勝利を手に入れた。

 試合後三浦監督は「立ち上がりはちょっと出力的にどうかなって感じがしたんですけど、2回3回ぐらいからどんどん良くなってきた。シンカーがカープ打線全く合ってなかったですし、それだけではなく(山本)祐大がしっかりとインコースを使いながら、散らばしながらね、うまく的を絞らせないリードをしたと思います」と平良はもちろん、バッテリーで掴んだ勝利だと説いた。

 平良は「序盤捉えられた当たりも野手の方が捕ってくれたので、テンポよく投げれたかなと思います」とバックにも感謝。監督が好投の要因にあげていたシンカーには「シンカーばっかにならないようにという意識はありましたけど、祐大がうまくシンカーを活かすために、その前の球をうまく使ってくれたかなという風に思います」と今度は女房役に感謝した。

 ノーヒットノーランには「どうせ無理と思っていた」と笑わせながらも、完封には「そこに関してはめちゃくちゃ意識したんですけど…もう1個アウト取れるようにやっていきます」と悔しさをにじませた。

 バットでもマルチヒットに1打点と気を吐いた平良拳太郎。今シーズンこそローテーションを守り抜くため、上々のスタートを切った。 


 取材・文 ・写真 / 萩原孝弘