3月18日から練習を再開



チームをけん引する主将・植本はリーダーシップ抜群だ

【4月7日】首都大学一部リーグ戦
東海大8-3城西大
(東海大2勝)

 東海大は今春のリーグ戦開幕前に20歳未満の新入生への飲酒強要と暴行が発覚した。1カ月間の練習参加自粛の処分が出た長谷川国利監督に代わって、田中大次郎助監督が監督代行として指揮。10日間ほどの活動休止期間を経て3月18日から練習を再開した。

 しかし、オープン戦では6敗2分と結果を残せず。それでも田中監督代行は「選手たちには我慢してやっていれば、必ずブレークする時が来る」と言い聞かせていたという。主将・植本拓哉(4年・明石商高)も「試合に出させてもらえるのかも分かりませんでしたし、オープン戦も勝てませんでした。でも、自分が明るい姿勢を見せたらチームも乗ってくるんじゃないかと思い、リーグ戦に出場できることを信じて気持ちを落とすことなくやってきました。そして、特に4年生には『オレたちで引っ張っていこう』という話をしたのですが、主将や副主将という肩書きに関係なく、積極的に声を出してチームをまとめることに協力してくれています」と話す。

 田中監督代行も植本のリーダーシップを認めており「ベンチの内外で気配り、目配りをしてくれています」と評価。毎朝30分間、掃除の時間を設けるなど、寮での日常生活を見直し「口酸っぱく言ってきたので生活面もかなり良くなってきました」と田中監督代行。中心選手の関悠人(3年・神戸国際大付高)も「消灯時間は夜11時で朝は7時から掃除なので、規則正しい生活をしています」と話す。


今年から指揮する長谷川監督に代わり、田中助監督が監督代行を務める

 こうして迎えたリーグ戦では「出させていただけることに感謝して、自分たちのできることをやっていこう」と選手に声を掛けた田中監督代行。その初戦は延長11回タイブレークの末に6対2で城西大を下し、白星スタート。

「正直にうれしい。選手の頑張りのおかげで、よく粘ってくれました」(田中監督代行)。そして、城西大2回戦も前日に引き続いて接戦となったが、3対3の同点で迎えた8回裏。一死二、三塁から関が「普段から4年生のみなさんには声を掛けてもらっているのですが、この試合でも主将の植本さんから『思い切って行け』と背中をたたいてもらいました」とセンターへ勝ち越し適時打。さらに追加点を加え、五番に入った植本も「ストレートを狙っていました」と初球の真っすぐをたたいて一、二塁間を破るタイムリーを放ち、この回に一挙5点。8対3で快勝した。

 田中監督代行は「長谷川監督が復帰(4月18日予定)するまで、4連敗だけはしないように」と話していたが、連勝で幸先よく勝ち点1を挙げた。「これからも苦しい戦いになると思いますが、ベンチ外のメンバーも一致団結してリーグ優勝を目指していきたい」と植本主将。その言葉の通り、スタンドの控え部員からは例年以上の大声援が響いていた。

文&写真=大平明