トロント・ラプターズのジョンテイ・ポーターは、過去数ヶ月間に亘り複数の賭博に関与した疑いがあるとして、NBAの調査を受けていることがわかった。現地メディア『ESPN』が報じている。

 今回問題になっているのは、1月27日(現地時間26日、日付は以下同)のロサンゼルス・クリッパーズ戦、および3月21日のサクラメント・キングス戦の2試合におけるポーターのスタッツである。クリッパーズ戦でポーターは、前の試合で追った目の負傷を理由にわずか4分の出場となり、無得点3リバウンド1アシストを記録。キングス戦では、病気のためとして出場時間は3分に留まり、無得点2リバウンドとなっている。

 現地ブックメーカー『ドラフトキング』のレポートによると、クリッパーズ戦における最大の賞金獲得となったのが「ポーターがこの試合で決める3ポイントシュートは0.5本以下」というスタッツに対するベットであった。さらに、キングス戦での最大の賞金獲得も「ポーターはこの試合で7.5得点以下、5.5リバウンド以下」というベットであることがわかった。出場時間が非常に限られた2試合において、ポーター個人のスタッツに対するベットが異常な金額になっていることから、今回の調査となった模様。

 デンバー・ナゲッツのスター選手であるマイケル・ポーターJr.の弟としても知られるポーターは、2021年にメンフィス・グリズリーズでNBAデビュー。Gリーグのチームを渡り歩いたのち、今シーズンはラプターズと2ウェイ契約を結んでいる。23日のオクラホマシティ・サンダー戦を最後に、24日のワシントン・ウィザーズ戦、26日のブルックリン・ネッツ戦はいずれも「個人的理由」で欠場となっている。

 ネッツ戦の試合後に本件について聞かれたラプターズの指揮官ダーコ・ラヤコビッチは、試合直前に調査のことを聞かされたと言う。

「他のみんなと同様に、本件については今日知った。私はコーチとして、選手のケガを疑ったことはないし、選手の誠実さも疑ったことなどない。本件に対するチームの反応も分かっていない。ただ、こんなことは誰にも、どこのチームにも起こってほしくない」

 また、現地メディア『DailyHive』の報道によると、ポーターは自身のX(旧Twitter)アカウントとは別にトレーディング用のXアカウントを保持しており、そのアカウントを通して大学バスケットボールのスポーツベッティングの宣伝を行っていた模様。大学バスケットボールを対象にしているためNBAのベッティングに関わった内容ではないが、このような投稿の経緯が疑いを強いものにしていると報じられている。

 NBAは全ての選手および従業員に対し、スタッツや勝敗を含むNBAのイベントに対する全ての賭けを禁じており、違反者には、罰金、停職、契約解除などの措置が含まれている。

 本件について『ESPN』はラプターズにコメントを求めているが、現時点でチームからの回答はない模様。