ウェザーニューズは5月15日に、2024年の「梅雨入り・梅雨明け見解」を発表した。

●本格的な雨の季節に備えた対策を


 2024年は、沖縄、奄美で平年より遅く梅雨入りするのを皮切りに、九州から東北にかけても平年より遅い梅雨入りが見込まれる。また、梅雨の期間は沖縄、奄美から東北にかけて、4日以上短くなる見込みとなっている。
 6月は、インド洋の海面水温が平年より高くなる影響で、フィリピン近海で対流活動が不活発になることから、太平洋高気圧の北への張り出しは平年よりも弱くなるとみられることから、九州から東北における梅雨入りの遅れが見込まれる。また、7月になるとフィリピン近海の対流活動が次第に活発化するため、張り出しが平年並になり、梅雨明けも平年並みになると予想している。
 梅雨入りの時期は、5月中旬から梅雨前線が沖縄付近に停滞するようになることから、沖縄、奄美では平年より遅い梅雨入りが見込まれる。今後、太平洋高気圧は平年より西への張り出しは強いものの、北への張り出しは弱いため、梅雨前線の北上が平年より遅くなるとみられ、九州から東北南部の梅雨入りは平年より遅くなると予想する。
 梅雨明けの時期は、太平洋高気圧の北への張り出しが次第に平年並みになる予想なので、平年並みになると見込んでいる。
 2024年の梅雨期間の雨量は、沖縄・奄美と西日本で平年並みか多く、東日本と東北で平年並みと予想している。5月は沖縄・奄美で曇りや雨の日が多くなり、5月末〜6月上旬は梅雨前線の活動が活発化して強雨や大雨となる可能性がある。6月は、中旬にかけて梅雨前線を押し上げる太平洋高気圧の北への張り出しが弱く、前線は九州から本州南岸付近に停滞する。7月は、太平洋高気圧が次第に北への張り出しを平年並みに強めることから、前線は日本海から東北付近に北上するとみている。
 なお、この前線に向かって東シナ海方面からの暖かく湿った空気が流れ込みやすくなるため、前線の活動が活発化する日があり、短時間で雨量が急増する恐れがある。西日本から東日本の太平洋側では6月下旬〜7月上旬の期間、西日本の日本海側や北陸、東北は7月上旬に大雨に対する警戒が求められる。