昨今、ナビ代わりにバイクにスマホホルダーを取り付けるライダーが増えました。そもそも法律的に、この行為は問題ないのでしょうか。

スマホをナビ代わりに使用するケースが増えているけど…スマホホルダーは取り付けてもOK?

 今ではほとんどのクルマに取り付けられているナビ。しかし昨今ではバイク用に設計された防水ナビなどの製品も増えただけでなく、比較的安価で手に入れることができるようになったため、バイクにナビを取り付ける人も多く見かけるようになりました。

 しかし「スマートフォンに地図アプリを入れているから、ナビは不要」と考えている人も多く、スマホホルダーを活用してスマホをナビ代わりにする人も少なくありません。

スマホホルダーをバイクに取り付けること自体は問題はない
スマホホルダーをバイクに取り付けること自体は問題はない

 では、バイクにスマホホルダーを取り付けたり、スマホホルダーに固定したスマートフォンを使用したりする行為は法律上問題ないのでしょうか。

 結論からいうと、スマホホルダーをバイクに取り付けること自体は問題はないようです。

 しかし問題となるのは、スマートフォンを使用するタイミング。道路交通法第77条には、「自動車又は原動機付自転車を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置を通話のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと」とあります。

 つまり、バイクが走行している最中にスマートフォンを操作したり画面を注視したりすると「携帯電話の使用等(保持)」とみなされ処罰の対象になるというわけです。

 近年、スマートフォンを使用しながらの運転による重大な事故が多発しているため、2019年12月から罰則が強化されました。

 もしも携帯電話の使用等(保持)とみなされた場合は、違反点数3点に加えて二輪車が1万5000円、原付には1万2000円の反則金の支払いが命じられます。罰則強化される前と比較すると、反則金も違反点数も3倍になっており、非常に重い罰則が科せられることになったようです。

 なお走行中にスマートフォンを使用することによって危険な運転をしたり、交通事故を起こしたりすると「携帯電話の使用等(交通の危険)」とみなされることに。違反点数が6点となり一発免停になるだけでなく、一年以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられることになります。

走行中にスマートフォンを持つ・触る・見る行為は違反行為とみなされるため、事前にナビを設定する
走行中にスマートフォンを持つ・触る・見る行為は違反行為とみなされるため、事前にナビを設定する

 これらのことから、走行中にスマートフォンを持つ・触る・見る行為は違反行為とみなされるため、スマートフォンをナビとして使用するためにはスマホホルダーを使用しておくだけでなく、画面を操作することのないようにあらかじめルートをある程度把握しておくと安心と言えそうです。また音声案内を活用するなどして、走行中はスマートフォンを使用することがないように心がけておくとよいでしょう。

 ではバイクに乗車している最中、ルートを確認したい場面に遭遇してスマートフォンを操作が必要になった時は、いつ操作をすれば問題ないのでしょうか。

 道路交通法には「当該自動車等が停止しているときを除き」とあるので、路駐している時や信号待ちでの操作は問題ないとされているようです。

 しかし、信号待ちの短い時間にポケットやカバンからスマートフォンを出してルート確認することは非常に難しいため、スマホホルダーの使用は効率的であると言えます。

※ ※ ※

 このように、バイクにスマホホルダーを取り付けること自体は問題ありませんが、走行中にスマホを操作する行為は違反となる点には注意が必要です。

 また、走行中にスマートフォンの画面に目を落としただけでも道路交通法違反とみなされる可能性もゼロではありません。スマートフォンの操作のみならず、画面を注視しないことも重要であると言えるでしょう。