杉田かおるさんさんの名前を聞いて、どんなイメージを持つでしょうか。清純派の役者、過激なヌードを世に出した姿、それとも、バラエティ番組での毒舌ぶり?そのどれもが芸歴54年を支える力であり、杉田かおるさんの真骨頂なのです。(全5回中の3回)

「お金に困っていない?」声をかけてくれた大恩人

── 杉田さんはバラエティ番組での活躍も印象的でした。俳優からバラエティに活躍の場を広げたきっかけを教えてください。

杉田さん:7歳で出演した『パパと呼ばないで』で共演した石立鉄男さんが、声をかけてくれたんです。石立さんは何かと気にかけてくださり、私の稼ぎで妹を大学まで行かせたのもご存じでした。

俳優として低迷する様子を見て「お金に困っていないか?大丈夫?」と心配してくれていたんです。それでご自身が出演されていた『名奉行 遠山の金さん』にゲストで呼んでくれたり、九州の通販番組を紹介してくれたりしました。

それで石立さんが『踊る!さんま御殿!!』に出演するときに「かおるちゃんはおしゃべりだからバラエティに向いているかもしれない」と勧めてくれて。日本テレビの人に「僕は話すのが苦手だから、かおるちゃんと一緒じゃないと出ないよ」と言ってくれたんです。

私がよくしゃべるのを、さんまさんがおもしろがってくれたんです。それから、バラエティ番組に出る機会が増えました。石立さんには本当にお世話になりました。すごく優しくて面倒見のいい方です。

90年代の杉田かおるさんは役者として低迷し、試行錯誤していた

──「元天才子役」がバラエティ番組に進出ということで、話題になったと思います。

杉田さん:実は「天才子役」というのは、自分で言ったんです(笑)。34歳でヘアヌード写真集『女優ごっこ』を出版したのですが、そのときにいろんなワイドショーから取材の申し込みがありました。

何度も同じことを説明するのが大変で、それまでの人生を語った『すれっからし 告白自伝』という本を出版したんです。そのとき、本の帯に「元天才子役がなぜこうなった」みたいなことを自分で書きました。

ウッチャンナンチャンさんの番組でロケに行ったんですよ。内村光良さんは同世代だし、私のファンだったらしいんです。「あんなに清純だったチー坊(『パパと呼ばないで』の役名)が、どうしてこんな無頼派のおじさんみたいになっちゃったんだ」と嘆くから、ビールを飲みながら「その経緯は、自伝本に書いたから読んでください」と言ったんです。

『すれっからし』って、本のタイトルもインパクトがあるじゃないですか。だから、バラエティに進出する際のネタ本みたいになったんです。『めちゃ×2イケてるッ!』に出演する際も、「大女優がバラエティに登場!」みたいな扱いをしてもらえました。