◇コラム「芸能リポーター・山﨑寛代のぶっちゃけトーク」

 旧ジャニーズ事務所のグループが移籍した「STARTO ENTERTAINMENT」が、4月10日に東京ドームで「WE ARE! Let’s get the party STARTO!!」を開催しました。まずはファンの皆さんに感謝を伝え、そして新しい船出ということでさらに結束を深めパワーアップしたように感じられました。他の事務所にもボーイズグループはたくさんありますが、個性やアイドルの華やかさ、底力みたいなものを再認識させられたという印象です。

 演出は、松本潤くんと大倉忠義くん。トップバッターHey! Say! JUMPの山田涼介くんが「東京ドーム!楽しんでいこうか!」と叫ぶと一気にボルテージが上がりました。さすが自発光の輝き。そんな山田くんとKing & Prince、なにわ男子の道枝駿佑くんが『シンデレラガール』をセンターステージで歌い出した時の4人のキラキラさは、もはや致死量レベル(笑)。松本くんはファンの気持ちに寄り添った演出でしたし、大倉くんはなにわ男子や関西ジュニアなど後輩の面倒を見てきたパッションがあり、お2人がこれから若い子たちをどんどん引っ張ってくれると感じることができました。

 昨年はテレビやCMに影響が出る中、紅白歌合戦もカウントダウンコンサートもなくなってしまいました。ファンを不安にさせてしまったけれど、これからは明るい未来を一緒に見ていきましょう!と、メッセージ性もあるライブでした。Sexy Zoneがtimeleszになり新メンバーを募集したり、関ジャニ∞がSUPER EIGHTに名前が変わり歌詞のコールを変更したり、変化はあります。でも、変わっていかなければならない部分と、変わらずに守るべきものがある。能登半島地震へのチャリティーソング「WE ARE」で最後を締めたのも、旧ジャニーズ事務所時代からずっと守ってきたもののひとつ。グループ名は変わるけれども、タレントさんと守る大切な信念、そういうものは変わらないよというメッセージも伝わってきました。

 同じ日の朝5時5分には、嵐が新会社設立を発表。その時はびっくりしたんですが、すごく前向きで期待をさせてくれる内容のように思います。活動休止から会社を設立したことで動き出し、コメントにある「主体性」「主体的」という言葉には積極性がありますし、「未来を描くための準備」という言葉も、もう何かが進んでいるような気持ちにさせてくれます。今年は11月3日がデビュー25周年。メンバーが記念イヤーを意識し、ファンとしては今年何かやってくれるんじゃないか、活動再開があるのではないかと期待を持たせてくれます。嵐がこだわる“5”、欠けることのないグループ。メンバー全員40代になりましたが、SMAPでさえもなし得なかった形の究極のアイドルになるかもしれません。

 今回、「STARTO ENTERTAINMENT」の本格始動に際し、「慣習にとらわれることなく、変化を恐れず、誠実に歩み続ける」と、社長の福田淳さんはコメントしていますが、これまでの日本のエンタメ界の慣習では、まだ分からないところもあります。嵐の会社も、子会社ではなく独立していますし、KinKi Kidsも剛くんが事務所を離れ、光一くんは残り、グループは存続するもファンクラブは閉鎖。タレントさんにとっては自由な可能性が感じられます。

 4月12日にテレビ朝日で放送された「ミュージックステーション」では、旧ジャニーズ事務所を退所したNumber_iのVTRを井ノ原快彦さんが優しい笑顔で見ていたり、平野紫耀くんとWEST.の桐山照史くんが絡んだり。これは正直、すごく変わったなという印象ですし、うれしい光景でした。絶好のタイミングでの共演だったと思います。

 いろいろな環境が変わっていく中で、タレントさん自身も悩み決断し不安なこともあったと思います。今回の船出のイベントでファンのみなさんからの笑顔や声援に勇気づけられ、STRATOがこれからどんなエンターテインメントを魅せてくれるのか期待しています。

▼山﨑寛代(やまざき・ひろよ) FM群馬での勤務を経て、TBS系「3時に会いましょう」「スーパーワイド」、テレビ朝日系「スーパーモーニング」などワイドショー・情報番組でリポーターを務める。朝日放送系「おはようコールABC」出演を機に芸能リポーターとして、現在はテレビ朝日系「羽鳥慎一のモーニングショー」、福岡放送「めんたいワイド」に出演中。旧ジャニーズ事務所や歌舞伎などを中心に取材している。