小林幸子の「とまり木」などのヒット曲で知られる作詞・作曲家のたきのえいじさん(74)が19日、東京・北区の個人宅で訪問看護ライブ「歌の宅配便」を行った。

 難病などで自宅で寝たきりになった人たちのもとを訪ね生歌を届ける慈善活動は、弟子の歌手、かとうれい子(42)とともに2016年にスタート。幼児から高齢者まで、100件を超える個人宅でライブを開いてきた。

 この日は、パーキンソン病で寝たきりになっている女性(87)の前で、女性が大好きな美空ひばりの「愛燦燦」など4曲を、かとうの歌とたきのさんのギター伴奏で披露。閉じていた目を見開き、涙も浮かべた女性に家族も大喜びだった。

 たきのさんが「歌の宅配便」と名付けた活動は、日本訪問看護財団から依頼され、訪問看護のテーマ曲「人明かり」を作ったのがきっかけだった。活動から8年、今後は家族も含めた看護の大変さも広く伝えていきたい考えだ。

 訪問先は1日4件ということも。交通費も自前で活動を続けるたきのさんは「記憶もなくされた方が、歌を聴いて口ずさむこともある。うれしいです。歌の力を感じます。患者の方や家族の方に喜んでいただいて、僕も元気をもらってます。90歳まで、生きてる間はこの活動を続けたい」と力を込めた。