衆議院3選挙区の補欠選挙が28日に投開票されて、いずれも立憲民主党の候補者の当選確実が報じられた。東京15区では参院議員の議席を捨てて挑んだ元格闘家の須藤元気さん(46)が無所属ながらも意外な善戦を見せたことに対する驚きの声が広がっている。

 開票が締め切られた午後8時にNHKは出口調査の結果を報道。須藤さんが次点につけていたことが伝わると、X(旧ツイッター)で名前がトレンド入りするなど衝撃が広がった。

 選挙期間中、須藤さんが「僕の友達も『飲みに誘ったって金がないって断られる』って。46歳ですよ。たかが飲みに行くのに『金、ない』って、そんな世の中終わりにしたいです」と演説する動画がXで拡散。これに幻冬舎編集者の箕輪厚介さんは自身のXで「46にもなって飲みに行く金がないのを国のせいにしてるの切なすぎる」「なんでもかんでも国のせいにするな」と辛口のコメントを書き込んだ。しかし、28日の投開票速報に「すごいな。須藤元気さん。そういう世相だということをしっかり認識しないといけないな」と一転、健闘を認めた。

 須藤さんは選挙戦の終盤、格闘家時代の入場パフォーマンスを想起させる派手な電飾を付けた自転車での選挙運動も話題に。れいわ新選組の山本太郎代表も応援に駆けつけた。同時代に活躍した総合格闘家の青木真也もこれまでXでは「須藤元気さんの『当選即国難』」などと小ばかにしたような投稿が目立った。しかし、開票速報に対しては「おれたちの須藤元気」と、意味深なコメントを残した。

 このほかXでは、「須藤元気さんが2位についているのは注目すべき」「完全無所属、自転車メインの選挙活動でこの結果は素晴らしい!」「大善戦したね」「ローカルでの顔は強い、という事ですね」「須藤元気が2位に入ったのは堂々と『消費税廃止』と『積極財政』を主張したから」など、さまざまな意見が出ている。

 須藤さんは格闘家時代時代、UFCやK―1などで活躍。「だまし討ちのアーティスト」「変幻自在のトリックスター」の異名で人気を集めていた。2016年の参院選で立憲民主党から比例代表で立候補して初当選。その後、政治方針の違いから離党していた。