俳優の妻夫木聡(43)と渡辺謙(64)が5日、東京・六本木のテレビ東京で、ドラマスペシャル「生きとし生けるもの」(6日午後8時)の会見に登壇した。

 4月に60周年を迎えた同局の記念特別企画。妻夫木と渡辺をダブル主演に据え、脚本は「ロングバケーション」「半分、青い。」などで知られ、〝恋愛ドラマの神様〟と呼ばれる北川悦吏子さん、監督は廣木隆一さんが務めた。

 人生に悩む医者(妻夫木)と余命宣告を受けた患者(渡辺)が、人は何のために生きるのかを探すヒューマンドラマ。

 北川さんからのオファーを、最初は断ったという渡辺は「丁寧な長文のメールを頂いた。僕も長文で返信したら、今度はその3倍の文章で返ってきた。リングの隅に追い詰められた感じでした」と苦笑いし「3通目でノックダウン」と明かした。北川さんは難病の潰瘍性大腸炎を患っており、渡辺は演じてみて「北川さん自身が病と向き合っていて、その気持ちを代弁するようだった」と振り返った。

 このドラマで自分、作品、そして命と向き合ったと話した妻夫木は「死は何かを失うものというイメージだった。けれど残される側は、死によって生かされ、勇気を与えられているとも感じた。小さな幸せは転がっているはず。見ている方にその幸せのかけらが届くと願っています」。

 渡辺は「生と死、深い話ではあるけれど、ある種、風のようなドラマです。強風、雷雨もあるけれど、最後は心地の良いそよ風。北川悦吏子の風を感じていただきたい」と呼びかけた。