東京中日スポーツ賞「第27回クラウンカップ」(S3・2日・川崎競馬場・ダート1600メートル)は、単勝1番人気のシシュフォスが直線で力強く伸びて優勝。重賞初挑戦でのタイトル獲得に成功するとともに、今年から交流重賞に昇格した東京ダービー(JpnⅠ・6月5日・大井・ダート2000メートル)への優先出走権を獲得した。勝ち時計は1分44秒4。1馬身半差の2着に5番人気のアムクラージュ、さらに3馬身差の3着に3番人気のアジアミッションが入った。

 門別から船橋に転入してきたシシュフォスが南関東で2連勝を飾り、大きな存在感を放った。森泰斗が「川崎マイル戦はこうやって勝つという競馬」と評した会心の走り。横一線のスタートから自然流で好位の内をキープし、道中は引っ掛かることなく巧みに折り合った。直線で外に進路を変更すると森泰斗が放った渾身(こんしん)の左むちに鋭く反応し豪快に抜け出した。

 「道営でどんな競馬もできるように教育されており、上手に立ち回れました。人気でしたし、結果を出せて良かったです」。鞍上は終始笑顔で勝利を素直に喜んだ。今後は東京湾カップ(S2・5月2日・船橋・ダート1700メートル)、そして中央勢を迎え撃つ大井での大一番を視野に入れるシシュフォス。「集中しいい走りをしてくれました。でも、1700、1800メートルだったらもっと良い走りをしたと思います」。こう話した佐藤裕師には、さらに上の舞台で活躍する愛馬の姿がイメージできているようだった。