コロナ禍で立ち入りが制限されていた漁港も緩和されてきたので3月28日、三重県鳥羽市の国崎漁港へサビキ釣りに出かけた。大量のカタボシイワシに交じって24センチを頭に20匹のアジもゲットできた。カタボシイワシのおいしい食べ方も紹介したい。 (鈴鹿市・伊藤正輝)

 【実釣】午前6時半過ぎ、国崎漁港の南堤に到着。既に多くの釣り人が竿を出していた。話を聞くと、アジは少なくてカタボシイワシが大漁とのこと。カタボシイワシといえば昨年末、志摩市の波切漁港で大量の死骸が浮かんで話題になった。南方系の魚で、温暖化の影響で最近は北上傾向が進んでいるようだ。

 私は初めて見る魚なので興味津々。周りでは竿が立つたびにカタボシが鈴なりだ。磯竿2号にサビキ6本針、ウキ下2ヒロ。アミエビ+集魚材のまき餌をカゴに詰め、足元を避けて前方へ軽く投入した。

 竿先をシャクってまき餌を出す。すぐアタリがあり、エラの上の方に黒い斑紋のある17センチ前後のカタボシがこいのぼり状態で上がってきた。入れ食いは続いたが、帰宅後の処理を考えてアジ狙いに変更。ウキ下を深くして遠投すると、カタボシに交じって20センチ超のアジがダブルで来た。

 カタボシをリリースしながら数は少ないがアジの強引を楽しむ。なかにはアジと間違えるような強引を見せる23センチのカタボシもいてビックリ! 午後は雨予報で、暗雲が広がった10時半に納竿。釣果は16〜23センチのカタボシ83匹、20〜24センチのアジ20匹だった。

 なお、人気の高い国崎漁港は訪れる人も多く、漁師さんや地元の方とのトラブルが問題に。赤灯堤や南堤には警告文が張り出されている。釣り禁止にならぬよう迷惑行為は絶対にせず、マナーとルールを守って釣りを楽しみたい。

 【料理】カタボシはマイワシ、カタクチ、ウルメに次ぐ第4のイワシと呼ばれているが、ウロコが硬く小骨が多いので人気がない。とはいえ、料理次第でおいしく食べられる。まずはウロコ取り器でガシャガシャ。腹部は特に硬いので頭を切ったら、肛門までをざっくりと切り落とすと内臓も一緒に処理できて簡単。水洗いして3枚におろした身はフライ、みりん干し、酢漬け、さつま揚げにするのがお勧めだ。

 ▼フライ 3枚におろした身に塩コショウして小麦粉、卵、パン粉の順に衣をつけたら180度の油で両面が色づくまで揚げる。外はサクッと中はふんわりでおいしい。骨が気になる人は骨切りした方がいいかも。

 ▼みりん干し しょうゆとみりんを1対1に混ぜ合わせた中に30分ほど漬け込んだら、ザルに移して水気を拭き取り、白ゴマを振る。釣具店で販売している干物用ネットに並べて一夜干し(5〜8時間)する。軽く焼いて食べれば、ほんのりとした甘みとゴマの風味が食欲をそそる。

 ▼酢漬け 身の両面に塩を振って冷蔵庫の中に30分ほど置いてから、サッと洗って水気を拭き取る。酢に1日以上漬け込めば骨も気にならず、サッパリとした味わいと引き締まった食感でうまさ倍増だ。

 ▼さつま揚げ 身を小さくカットしてフードプロセッサーですり身にしたところで、すりおろしショウガ、しょうゆ、砂糖、酒、塩、片栗粉、卵とよく混ぜ合わせる。好みでニンジン、玉ねぎのみじん切りを入れる。食べやすい大きさに取り分け、160度の油で揚げれば出来上がり。揚げたてはもちろんだが、冷めてもおいしい。