名古屋グランパスは13日、磐田戦に臨む。今季京都から加入したFWパトリック(36)は、3日の札幌戦(札幌ド)でJ1通算300試合出場を達成。G大阪在籍時にともに歓喜を味わった長谷川健太監督(58)とともに、タイトル獲得へまい進する。11日は、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで非公開で調整した。

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 10日の全体練習後、居残りでヘディングをするパトリックの姿があった。親子ほど年の離れた、高卒ルーキーのGKピサノを相手に繰り返しシュート。最後は、グラウンドに向かって一礼し、引き揚げた。

 「今年まだゴールを決めていないし、それを変えるためには毎日こうやって練習に励まないといけない。毎日練習していれば、メンタルも良くなるし、いざとなったときに、ちゃんとボールに当てることができると思っている」。J1通算96得点。大ベテランとなってもなお、ひたむきだ。

 その姿勢に影響を与えたのが、長谷川監督だ。日本のキャリア前半の72試合を、長谷川政権のG大阪で過ごした。「すごく誠実でいろんな要求がある監督だし、トレーニングで見せないと試合には出られない。だから、監督は勝利に導くことができる」と敬服する。

 思い出深い試合について「300試合」に含まれない2014年のナビスコ杯(現ルヴァン杯)を挙げた。「決勝戦、広島相手に0―2で負けていたところを逆転した試合がとても印象的」。自身の2得点で3冠の1冠目を獲得した試合だ。

 「そのいい思い出を名古屋でもつくりたいなと思っている。ポテンシャルある選手もいるし、すごくいい監督もいるし、コーチ陣もそろっているし、環境もそろっている。間違いなく正しい道を歩んでいる」。背番号「10」として、その立役者になるつもりだ。