◇19日 広島0―0巨人(マツダスタジアム)

 負けなかったことに意味がある。巨人は延長12回で4安打無得点に終わり、広島と引き分け。3試合で計2得点と決定力不足に泣いた前カードの阪神戦からの嫌な流れを断ち切れなかったが、阿部監督は「とにかくピッチャー陣が頑張ってくれた」とたたえた。

 「今日は勝ったね。勝ちました」。開口一番、阿部監督が充実感をにじませたのも納得だ。先発の戸郷は4回にピッチャーライナーが脚に当たるアクシデントがありながらも、直球の力強さが衰えることなく7イニング無失点。バトンを受けたリリーフ陣も、5人の継投で広島打線を散発の2安打に抑え、9回以降は二塁すら踏ませない盤石ぶりを見せつけた。

 一方、打線は厳しい状況が続く。直近4試合で無安打の坂本を「ちょっと楽なところで思って」と今季初めて5番から2番に動かすも、快音は聞かれず。12回2死一塁の最後の打席でも見逃し三振に倒れた。阿部監督は「点が入らなかったのは僕のせい。(坂本が)今よりひどくなることはないと思うので、開き直ってやってくれたらいい」と変わらぬ信頼を口にした。

 光明はある。12イニングのうち6イニングでは走者が得点圏まで進んだ。かみ合いさえすれば―。胸がすくような打線の爆発を、G党は心待ちにしている。