◇24日 オリックス4X―3西武(京セラドーム大阪)=延長10回

 オリックスは延長10回に紅林弘太郎内野手(22)が今季2度目のサヨナラ安打を放ち、引き分けを挟んで今季初の3連勝を挙げた。

 まさかの展開だった。3点リードで迎えた9回の守り。連投となった守護神の平野佳が中村剛のソロから連続長打などで追いつかれた。日本復帰4年目で、1試合3失点は2021年7月6日の楽天戦以来、3年ぶり2度目。それでも延長10回、勝負強くなってきた紅林が2死一、三塁で本田の変化球を左翼線へはじき返した。

 おなじみの手荒い祝福を受けた紅林。帽子を後ろ向きにかぶった中嶋聡監督(55)に「来い!」と呼ばれて、頭をつかまれると「頭突きを食らいました」と苦笑だ。

 今季の打順は下位が多く、1度だけ3番も任されたが、この日は今季初の2番起用。「なかじマジック」も的中させる快打で、得点圏打率は3割8分5厘(13打数5安打)となった。

 「全員でカバーできるのが野球なので、勝ち切れて良かったです。去年はメチャメチャ得点圏打率が低かった。今年は中軸を打ちたいので、首脳陣の信頼を勝ち取るためにやっていかないといけないこと。何かを変えたというよりも、考え方、ちょっとアタマを使うようになりましたね」

 11日前に丸刈りにした。13日の日本ハム戦で仲の良い同期入団の宮城が登板した試合で、3失策を記録した。その試合後のことだ。

 その翌日から32打数14安打の打率4割3分8厘と打ちまくる。

 「髪の毛がなくなってすごくボールが見やすくなりました(笑)。それは冗談なんですけど、いい感じで気持ちの切り替えができ始めているので、もっともっとチームの勝利に貢献できるようにやっていきたいと思います」

 ウイニングボールは、延長10回の1イニングを三者凡退に抑えて、来日初勝利をマークした新外国人右腕のマチャドの手元へ。3年連続のサヨナラ打で、今季は11日の楽天戦に次ぐ2度目(通算4度目)のサヨナラ打となった紅林は「欲しいですけど、きょうはマチャドに譲ります」と気前が良かった。