高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン2024(中日新聞社などの実行委員会主催)が28日、岐阜市の岐阜メモリアルセンターを発着点に開かれ、男子6位の田中秀幸(33)=トヨタ自動車=が1時間2分31秒、女子5位の飛田凜香(23)=第一生命グループ=が1時間12分6秒で日本人最高位だった。男子はヒラリー・キプコエチ(ケニア)が1時間1分26秒、女子は今夏のパリ五輪マラソン代表のステラ・チェサン(ウガンダ)が1時間7分59秒で制した。大会長で岐阜出身の高橋尚子さんも声援やハイタッチでランナーの背中を押した。

 スタート時から気温20度を超える暑さの中、ベテランランナーの走りが光った。田中は夏のフルマラソンを見据えて今大会に出場。冷静なレース運びを見せ、「目標の日本人3番以内を達成できてよかった。暑さにそこまで苦手意識がなかったので、走りながら『日本トップを狙えるな』と思った」と笑顔を見せた。

 異色の道を歩んでいる。今年1月の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)で5区区間賞を獲得し、8年ぶりの優勝に貢献。選手活動と並行して4月から新たな挑戦を始めた。トヨタ自動車から出向する形で、母校順大の長距離ブロックのコーチに就任。現在は選手を指導しながら、時には学生とともに練習もしている。

 コーチ兼選手として”3日連続優勝”の野望を持つ。「ニューイヤーで1日に優勝、箱根で2日に往路優勝、3日に総合優勝する。今まで誰もやってきたことがないし、すごく高い目標だが、そこを目指してやらないといけないと思う」ときっぱり。トヨタ自動車でも順大でも職務を全うする。