◇28日 ウエスタン・リーグ 広島2―3中日(由宇)

 中日のドラフト3位・辻本倫太郎内野手(22)が決勝の2点適時二塁打を放った。8日間と短い期間ながら、1軍の雰囲気を経験したルーキーは「1球への集中力」を磨いて、再昇格を目指す。

 迷いなく振り抜いた。1点を追う8回2死二、三塁。7回の代走から途中出場した辻本が打席に立ち、2ボールから広島の3番手・高橋が投じた134キロのカットボールを仕留めた。左翼線ギリギリに入った打球は逆転の2点適時二塁打。二塁塁上でベンチに向け、右手を上げた。

 「ストライクを取りにくると思っていたので、狙っていました。打ててよかったです」

 再出発だ。右外側ヒラメ筋損傷で離脱した高橋周に代わって、17日に1軍へ昇格。25日に出場選手登録を抹消されるまでの8日間、雰囲気を味わった。出場は代打や代走の4試合のみだが、収穫もあった。ベンチで相手を観察。「1軍のエース格といわれる投手や勝ちパターンの中継ぎは球の精度が違う。投げ損じはほとんどない。1球で仕留めるだけの集中力と技術を磨いていきたい」と話した。

 井上一樹2軍監督(52)は「8回は代打を出すか迷ったけど、よく打った。自信にしてほしい」と褒めつつ、「(辻本に)まず求めるのは守備と走塁。打撃も含めてよくなってこないとずっとスタメンでとはならない」と期待を込めた注文をつけた。辻本も「自分が求められる役割は分かっています」と自覚。再昇格に向け、走攻守のレベルアップに励む。