6日に東京ドームで行われるボクシングの4大世界戦の最終会見が4日、横浜市内で行われ、メインイベントで世界4団体統一スーパーバンタム級タイトル戦を行う4団体統一王者の井上尚弥(31)=大橋=と、挑戦者のルイス・ネリ(29)=メキシコ=が対面した。井上尚はジャージー、ネリは黒ずくめの上下にサングラスでガムを嚙みながら登場。会見では互いにKO宣言し、最後は握手を交わした。

 井上尚とネリが、緊張感を漂わせながら握手を交わした。井上尚の手には4本のベルト。主要4団体全ての防衛戦を象徴するシーンだった。

 「いよいよこの日が来た。こんなに素晴らしい環境とタイミングがそろった試合はまずないんじゃないか。とてつもない試合ができると確信しています。必ずKOで勝つ姿を見てもらいたい」

 東京ドームでのボクシング興行は1990年、世紀の番狂わせとなったマイク・タイソン―ジェームス・ダグラス(ともに米国)の統一世界ヘビー級タイトル戦以来。日本人のメインは史上初という歴史的な一戦だ。

 井上尚への注目が高いだけに、海外では日本国外での試合を期待する声もある。だが、共同プロモートするアラムCEOは「今や軽量級で世界の中心は日本。出て行く意味はない」という。

 唯一の例外はビッグマッチを次々に実現させるサウジアラビア。アラムCEOは「年内にオファーがあるかも。大橋会長が金額と時期から判断する」と話した。

 プロモートで協力する帝拳ジムの本田明彦会長も「近いうちに(王族のスポーツ省ターキ・アルファサル大臣が)来日して交渉することになるかも。閣下は井上尚弥の大ファンだっていうんだ」と明かした。実現すれば1000万ドル(約15億3000万円)を超えるファイトマネーが濃厚な夢の試合となる。

 もちろん、全てはネリという最強の挑戦者を倒してから。「ネリを改めて見て、非常にいい状態に仕上がっていると思う。気が引き締まった」と井上尚。全世界注目のゴングがいよいよ響く。