◇7日 中日―巨人(バンテリンドームナゴヤ)

 中日の立浪和義監督が巨人戦の試合前、魔よけの鬼瓦2枚を受け取った。円形で直径30センチ。バットとボールを握る竜がかたどってある。力強く立つ波がけがれを洗い流すとされる「立浪」と、英語で勝利を意味する「VICTORY」もあしらわれている。

 「チームが良くなることを信じています。ありがたいです」。今後は監督室とコーチ室に飾られるという。

 鬼瓦は神社仏閣や家を守る魔よけ、厄よけの目的がある。作るのは「鬼師」と呼ばれる職人。贈られた特製品は愛知県高浜市で山本鬼瓦工業を営む4代目代表取締役、山本英輔さん(48)=三州瓦工業協同組合理事長=が精魂を込めた。

 山本さんは120年続く家業を継ぎ、京都・平安神宮や名古屋城本丸御殿などへ鬼瓦を納めてきた。辰(たつ)年をきっかけに製作。立浪監督とつながりのある関係者からプレゼントを提案され、受け入れた。

 山本さんは「立浪監督へ手渡す機会に恵まれてうれしかったです。小さい頃からドラゴンズファンで、立浪監督は憧れた選手。ドラゴンズの勝利を願ってつくりました」と指揮官との対面に感激した。自身も高校まで野球を続けていたという。

 山本さんによると、鬼瓦の職人は全国に約60人を数え、高浜市内でうち約40人が活動している。瓦に適した良質な粘土が取れることなどから、発展してきた。勝率5割付近から再奪取を目指す竜。鬼瓦が立浪竜を守る。