体操のパリ五輪代表最終選考会を兼ねるNHK杯が16日、群馬県の高崎アリーナで開幕する。2012年ロンドン五輪、16年リオデジャネイロ五輪に出場した田中佑典(34)が15日、当地で公開練習に臨み、「30半ばの選手が頑張っているのを楽しんでもらえたらなと思う」と話した。

 男女とも4月の全日本選手権の得点を持ち点に2日間演技し、各5人の代表が出そろう。田中は全日本選手権で6位と健闘。得意の平行棒、鉄棒では高得点もマークしており、水鳥寿思強化本部長は「15点を取っている選手はかなり大きい。田中選手にもチャンスはある」と脱帽する活躍だった。

 しかし、大ベテランは自然体のまま。「もうここの舞台に立てるだけでもありがたい。(ここに立てるだけで)優勝かなと思います」。達観した”仙人”のように丁寧に言葉を紡いだ。体操界の”キング”内村航平さんは32歳で東京五輪に出場。34歳の田中は「同世代でも最初に辞めると思っていた。ここまでやってこられたのは…、う〜ん、自分でも誇りに思うところです」と話した。