日米通算200勝を達成した米パドレス・ダルビッシュ有投手(37)に次ぐ勝利数を現在重ねているのが楽天・田中将大投手(35)だ。楽天で119勝、ヤンキースで78勝し、現時点で大記録にあと3勝まで迫る通算197勝をマークした。しかし、日本球界復帰4年目となる今季は1軍での公式戦登板がまだ1試合もなく、開幕から2軍調整が続いている。

 昨年10月に右肘のクリーニング手術を受けた田中将は今年1月の契約更改後の会見で、「いろんな人から期待していただいているというのは自分の中でもすごく感じる部分がある。一球一球ベストを尽くしていって、そこへ到達できるようにと思っています」と日米通算200勝達成への強い意欲を表明。2月の金武春季キャンプではブルペン投球を繰り返し、同月24日の中日とのオープン戦(北谷)で実戦初登板。1イニングを2安打無失点にまとめた。

 3月に入ってからは6日の阪神戦(甲子園)で2イニング、13日のオリックス戦(静岡)で3イニング、20日のイースタン・リーグ、DeNA戦戦(横須賀)で3イニング3分の1と投球回数を伸ばしていき、オリックス戦の登板を終えた後には「順調に一つ一つステップは踏めている」と話していた。しかし、首脳陣は1軍でしっかり戦える準備をさせる必要があると判断し、開幕1軍メンバーから外した。

 さらに、その後の登板プランは開幕1軍を目指した急ピッチ調整の反動が右肘にあったことから白紙に。DeNA戦以降の登板は2軍戦もなく、青山1軍投手コーチは今月7日に「オープン戦のダメージがあるという話だった。しっかり取り除いて100%自分の中でいけるという風になってから次のステップにいきたいという話でした」と現状を説明。本格的にはしていないブルペン入りについて「タイミングは本人に任せている」として、実戦復帰に関しては「ブルペン入れないと、(試合に)入れない」という見解を示していた。

 今江敏晃監督(40)ら首脳陣は田中将をチームに必要な戦力として考えている。まずは2軍で状態を上げて実戦復帰を目指すことになりそうだ。