鎌倉の大仏様で親しまれる高徳院のある長谷エリアは、メイン道路から一本入ると細い路地がいくつものび、昔ながらの日本家屋が点在しています。この界隈を歩いていると古民家カフェを見つけることが多く、縁側やお庭で古都の風情を感じながら過ごす時間はほっと心が和みます。そんなひと時を過ごせる古民家カフェをご紹介します。

縁側で小鳥の集う庭を眺めて過ごす「paso by 27 COFFEE ROASTERS」

築60年の古民家を改築した「paso by 27 COFFEE ROASTERS(パソ バイ 27 コーヒー ロースターズ)」。古民家の雰囲気を楽しみながらハンドドリップで淹れるスペシャルティコーヒーや自家製レモネードなどがいただけます。

時おりスズメも遊びに来るのどかな縁側は、青々とした松の木やアジサイなどの緑が目に優しく映ります。昔ながらの風情の中で、時間がゆったりと流れていきます。

木々の緑が美しい縁側でパニーノをほおばる「アンティコ・ロンディーノ」

日本の古民家とイタリアのバルを融合させたかのような「アンティコ・ロンディーノ」はイタリアのサンドイッチ・パニーノのお店です。古民家の広い縁側では、生い茂る緑の木々をながめてのんびり過ごせます。

自慢のパニーノ「プロシュート」は、淡いピンク色のイタリア産生ハムがたっぷり。オーダーごとにカットするのでふんわりとしていて、厨房で焼くフォカッチャでセミドライトマトやフレッシュチーズ、鎌倉のレンバイ(鎌倉市農協連即売所)で仕入れる新鮮なルッコラと共にサンドします。縁側でぜひ味わって。

お庭に張り出した濡れ縁で昭和の時代にタイムスリップ「COTONOHA」

薬草バーのある「COTONOHA」は、こぢんまりとした平屋の古民家カフェでありながらも縁側の外に濡れ縁のしつらえがあり、ここに座ると静かな長谷の空気を肌で感じられます。はじめて訪れてもどこか懐かしく、大切に使われてきた障子や欄間などがこれまでの歴史を物語ります。

お昼ごはんには鎌倉野菜をたっぷりと使ったヴィーガン対応の「グラスアートのブッダボウル」が登場します。新鮮な鎌倉野菜をサラダはもちろんのこと蒸す、焼く、あえるなど、様々な調理方法で大地の恵みを味わえますよ。

ドラマのロケ地として話題になった古民家カフェ「サカノシタ」

約100年前に建てられた当時のままの面影を残し、砂利を敷いた路地にたたずむ「サカノシタ」。テレビドラマの舞台にもなり、今もそのイメージを追ってわざわざ遠方から訪れる人も多い人気のカフェです。お店の前の小径を進むとすぐに由比ガ浜の海が広がり、海辺のカフェという一面もあります。

看板商品のパンケーキは6種類のトッピングが楽しめる「ピクニックパンケーキ」(3000円)や、ハーブを一緒に焼く「ハーブパンケーキ」などオリジナルメニューが豊富。自家製のレモンソースとレモンピールでさわやかな味わいの「レモンパンケーキ」もおすすめです。お庭のテラスでいただくと、波の音やトンビの鳴き声も聞こえて鎌倉らしいひと時に。

大正時代の風情を今に伝えるレトロモダンな「café recette 鎌倉」

最高級の食パンを贅沢に使ったフレンチトーストのお店「café recette 鎌倉」。看板商品の「究極のフレンチトースト」は、平飼いの卵と牛乳のアパレイユに一晩漬けて低温でじっくり焼き上げます。なめらかでしっとりとしながらも表面をキャラメリゼした食感も楽しめる人気のパンスイーツです。

風情ある門の向こうに白い暖簾が見え隠れする古民家は、大正時代に建てられたのだそう。建材は江戸時代のものも再利用していて、天井の梁には当時の職人さんのカンナ跡などもみられます。その一方でイスやテーブルはスタイリッシュなウォールナット材のオーダー品。店内はレトロモダンな居心地のいい空気が漂います。

お寺の境内にたたずむ隠れ家カフェ「蕪珈琲」

収玄寺の境内にある「蕪珈琲(カブラコーヒー)」は、本堂の脇にあった古民家をリノベーションしたカフェです。江ノ島電鉄長谷駅から歩いてすぐの場所にありながら、知らずに通り過ぎてしまうほど隠れ家的な一軒家です。

カフェの準備で朝一番にとりかかるのが、こだわりの生クリームづくりなのだとか。マスカルポーネチーズを加えてコクを出すのが特徴で、生クリームは旬のフルーツをはさむ「蕪フルーツサンド」や「自家製レモンケーキ」にトッピングされ、風味豊かにそれぞれのおいしさを引き出します。

まるで武家屋敷のような重厚な門をくぐる「レストラン ワタベ」

風格のある門と和風庭園の広がるお屋敷で本格フレンチをカジュアルに楽む「レストラン ワタベ」。門の前を江ノ電が通り、線路を渡って門をくぐります。店内は天井が高く開放感があり、南側の緑豊かな庭を望む縁側からはやわらかな自然光が入ります。

ワンプレートのランチは、日替わりの主菜に鎌倉野菜が添えられます。オーナーシェフが20年以上通い続けるという鎌倉駅近くのレンバイ(鎌倉市農協連即売所)で仕入れる、旬の鎌倉野菜は新鮮で彩りも豊か。皮ごと茹でてソテーし甘みを引き出したニンジンや食感よくゆでたブロッコリーなど野菜ごとに丁寧な下ごしらえをほどこし、手の込んだ自家製ソースも添えられます。旬を意識した地元の食材を味わえるランチタイムになりますよ。

住宅街の中に古民家カフェが点在する長谷は、緑が多くお散歩も楽しいエリアです。路地を歩いて素敵なカフェを見つけてくださいね。