こんにちは、新人美容研究家のにらさわあきこです。
筋肉レスな我が体形を猛省し、2月からマシントレーニングを始めました。が、負荷ナシでもマシンを動かせず……。原因は、肩甲骨回りの固さ。そこでトレーナーさんに勧められ、エアートレーニングから始めたのですが、そのうちに思いついたのですよ。「肩甲骨を動かすには、オードリー・春日をイメージするといいのでは?」と。そこで、せっせと春日イメージでエアトレを続けてみたところ、姿勢まで良くなってきたような……。
ということで、今回は私が思いついた、春日をイメージして行うエアートレーニング、名づけて「春日式」のアイデアを皆様にご紹介すると共に、このアイデアが理に適っているかどうかをプロに検証してもらいました。
●ポージングを意識して肩甲骨を動かす
まずは、アイデアを思いついた経緯からご紹介していきましょう。
私は筋肉が少ないのですが、特に気になっているのが体幹。そこで腹筋と背筋を鍛えたく、マシントレーニングに挑戦しようとしたのですが、肩甲骨が寄せられなくて、回りの筋(肉)、背筋を鍛えるマシンをまったく動かせませんでした。トレーナーさんによると、肩甲骨回りの筋(肉)が凝り固まっているそうなのです……。
そこでまずは「マシンを使ったつもりで行う」エアトレを勧められ、せっせと練習し始めたのですが、肩甲骨が動く気配はまったくありませんでした。
すると見かねたトレーナーさんが、「肩甲骨を動かすには胸を張るのもオススメです」と教えてくれたので、今度は胸を張る(開く)トレーニングに切り替えて練習を始めたところ、これまたたいして開かない。が、流石にここで頑張らないと、背筋トレに進めないので、私は全身鏡の前に立って、胸を開く練習を続けたのです。
で、続けるうちに気がついたのですよ。ボディビルダーのポージングを真似れば、胸を開きやすいな、と。しかもポージングなら、飽きずに行えます。
●日常化するためのアイデアは?
そこで私は、さらにせっせとポージングをし続けたのですが、そのうちさらにひらめきました。「オードリー・春日の姿勢を真似れば、普段からポージングができるな」と。彼の姿勢は極端に見えますが、猫背の私からすると、胸を開くためのいいお手本。頭の中で彼をイメージすれば、いつでもどこでも胸を開ける……というよりも、肩甲骨を動かす習慣がつく……というよりも、日常生活がすなわち筋トレになるのでは? と、そんなふうに思えたのです。
そこで、早速実践しました。
私は、ジムに行った時以外でも、春日をイメージした姿勢(=春日式)を暮らしに取り入れてみたのです。なお、その姿勢でずっといるというのではなく、「思いついたら、『春日式』を行う」というエクササイズ的位置づけです。
すると、肩甲骨を以前よりも寄せられるようになり、憧れのマシントレーニングを行えるようになっただけでなく、体感として姿勢も良くなったように思えました。
●「春日式」だと姿勢も良くなる
では、「春日式」がなぜ良いのかを私なりに解説してみましょう。
そもそも私は肩甲骨が動かないだけでなく、猫背で巻き肩。さらに上半身の筋肉が少ないので、体もなんとなく傾きがちでした。
ところが「春日式」をイメージして胸を張る(開く)と、肩甲骨が寄せられると同時に(下図①)、お尻にキュッと力が入り(下図②)、内ももに力が入る上(下図③)、足をしっかり踏みしめます(下図④)。さらにこの状態だと反り腰になるので、反り腰を避けるために腹筋にも力が入り(下図⑤)、猫背でうつむきがちだった顔が、そのままでは下向きになって前が見えなくなってしまうので、自然とあごをあげ(下図⑥)、正面を見ようとして眼筋にも力が入るのです(下図⑦)。
つまり、私のような猫背人間は、「春日式」姿勢を意識すると途端に胸が開きやすくなり、肩甲骨を寄せられるようになるというだけでなく、全身の筋肉を使うスイッチが入るのだと体感しました。そしてその結果、姿勢も(自分なりに)良くなった気がしたのです。
さらにあります。
ボディビルのポージングや「春日式」を行うと、体が自然と立体的になるのです!
これには驚かされました。
というのも、私は昔から、「玩具のトランプに似ている」と言われ続けてきているのですが、そのココロは「体が薄い」(悲……)。そして薄いわりに肩幅は広いので、前から見ると幅があり、横から見ると薄い「紙」状。この体形を自分では、「骨格のせいだ」と思っていましたし、人にもそう言い続けてきました。が、「春日式」を取り入れてからは、「体の筋肉をちゃんと使っていなかったせいかも?」と思うようになりました。
つまり、折り紙と同じなのですよ。
私は体を「開いた状態」で常に使ってきていたので、体が薄く見えてしまうだけで、本来の使い方をして筋肉をきちんと動かすように暮らせば(=折れば)、「それなりの厚さ」のあるメリハリ体形に近づけるかもしれないのです。そして助けになるのが「春日式」……だと思えたのですが、実際にこのアイデアが理に叶っているのかを確認するためにプロに見てもらってきました。
●プロの見解は?
訪ねたのは、広尾にある「SPINE CONDITIONING STATION(スパイン・コンディショニング・ステーション、以下SCS)」。以前、腰痛について教えていただいた腰専門のコンディショニングスタジオです。
恵比寿・広尾の腰専門コンディショニングスタジオ
【SPINE CONDITIONING STATION】
https://www.sc-station.com/
多くの人を悩ます腰痛の原因は4つ! 腰専門コンディショニングスタジオで 原因と対策を教わってきました・前篇
https://crea.bunshun.jp/articles/-/43917
今回コーチングトレーナーの折笠佑太先生にアイデアを聞いていただいて、春日を意識した私の姿勢をチェックしてもらいました。すると……。
「春日さんを意識した姿勢は、普段の姿勢と比べてビジュアル的には悪くないと思います。それは、胸が開いているという点においてです。ただし、気になる点が2つあります。一つは、腰の筋肉の使い方です。春日さんや、ボディビルダーの中でもビキニフィットネスという競技の方々がする『見せるポージング』の姿勢は、腰の筋肉を過剰に使うため、反り腰になりやすく、痛めてしまいがちです。にらさわさんも反り気味になっているので、そこは修正していきましょう」(折笠先生、以下同)
なお、ボディビルダーの方全員が反り腰になっているわけでなく、むしろ男性は腹筋を見せるために腰を丸めているそうです(念のため)。
「そして、もう一つは首の位置です。にらさわさんは首が前に出ていますが、これだと肩こりの原因になります」
先生に正していただいて、改めて姿勢をチェックしてみると、おおなんということでしょう! 自分史上最高レベルの美しい立ち姿勢になっているではないですか!
しかもここが肝心なのですが、先生に修正していただいた姿勢だと、まったく疲れないのです!
春日姿勢を取っていた時は、力が入ってしまうせいなのか、ポーズを取るだけで疲れていましたが、自分ではそれこそが「筋トレ」だと考えて、むしろ「いい事」だと思ってもいました。が、本当に良い姿勢を取ると、疲れないものなのですね。しかも疲れないのに、「筋肉を使っている感」はちゃんとある!
イメージで言うと、体の中に1本柱が通っているような感じになるので、意識して力を入れなくとも、(必要な)筋肉はしっかりと働いて、互いに支え合って(自立して立って)いられるようになるのです。
……ということで、今回の検証をまとめると、春日をイメージした姿勢作りは、「アリ!」。特に猫背の人や、私のように胸が開けない人、肩甲骨が動かせない人が、エクササイズ的に真似してみるのはいいような気がします。なんせ、思いついたらいつでもどこででもできますし(思い出しやすいのがポイントです!)ただし、「日常的に続けるものではない」というのと、「反り腰には気をつける」ということは意識しておくといいようです。
なお、首の位置については、私は大幅な修正を要しましたが、そこは人によるようです。
先生によると、「一人一人の骨格や筋肉のつき方だけでなく、体の使い方のクセなどによっても、修正ポイントは違ってきます」とのこと。
とはいえ、体に負担のない美しい立ち姿勢を目指す上で、「万人が目安にできる簡単な指標」はあるそうで、実は私自身もその指標に則って、先生に正してもらいました。
次回は、その指標ともう一つ、「美しい座り姿勢を作るコツ」を、引き続き折笠先生に教わります。乞う、ご期待!
にらさわあきこ
文筆家、美容研究家。NHKディレクターを経て、文筆業に。恋愛や結婚、美容について取材・執筆を続ける中、2019年から美容活動を強化。簡単&ラクに綺麗になるための情報をブログやインスタ、雑誌ウェブなどで発信中。著書に『未婚当然時代』(ポプラ新書)。『婚活難民』(光文社)『必ず結婚できる45のルール』(マガジンハウス)など。
インスタ:@akiko_nirasawa_beauty、ブログ:『美活☆365日 簡単&ラク〜に綺麗になろう!』
文・写真=にらさわあきこ