昨年9月、北朝鮮の金正恩総書記のロシア訪問時に「問題」を起したとして逮捕された人々が、最近になって「処理」され、その事実が国家保衛省(秘密警察)の各道保衛局の部長級以上の幹部たちに周知されたという。

金正恩氏はロシア訪問で、武器取引や技術協力の話をまとめるなどしてご満悦だが、その陰では何人もの命が奪われていたということだ。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によれば、先月13日午前の政治学習に際して中央から機密資料が伝達された。

そこには、昨年9月の訪露と関連して現われた「不忠な事件」が暴露され、これによって問題視された人々が最近、中央党と国家保衛省の内部決定により「強力に処理」されたという内容が盛り込まれたという。

金正恩氏は当時、専用列車に乗ってロシアを訪問した。資料によると、咸鏡南道(ハムギョンナムド)と咸鏡北道の1号(金正恩専用)鉄道区間にある4つの駅の駅長らが、「1号事業」で忠誠を示さなかったとして、昨年9月末に現場で逮捕された。

彼らは、太陽節(4月15日の金日成生誕記念日)前に法的処理を終えよとする上層部の決定を受け、逮捕されて先月12日に室内で処刑されるなどした。

情報筋は「特に、2人の駅長は元帥様(金正恩氏)の1号列車が駅を通過する際、駅長がいるべき位置を守れなかったということで逮捕され、室内で処刑された」と話した。

さらに、彼ら4人の家族までもが13日未明、居住地域の保衛部によって、誰も知らないうちに連れ去られたという内容も、機密資料を通じて周知された。

情報筋によれば、「国家保衛省は資料で、今回の措置が法的手続きによってなされたものであることを私的し、元帥様に忠誠を示すべき1号事業を少しも疎かにしてはならないと強調した」という。