プロサッカー選手の久保田和音(かずね)さん(27)とフリーアナウンサーの矢野七絵さん(27)が昨年11月23日、互いのインスタグラムで入籍を発表した。その出会いには、プロサッカー選手・中野誠也さん(28)とフリーアナウンサー・松村澪(みお)さん(27)のカップルが関わっていた。

「恋心というより…」

 二人の出会いは2019年の夏。当時、和音さんは中野選手と同じファジアーノ岡山に在籍。一方、RSK山陽放送のアナウンサーとして活躍していた七絵さんは、大学時代のアナウンススクールで同期だった松村さんが岡山に来るたびによく遊んでいた。七絵さんと松村さん、中野選手が会う際、中野選手が「めっちゃエエやつやで」と和音さんを連れてきたという。

 七絵さんの大阪弁に、大阪桐蔭高卒の和音さんが反応し、大阪ネタで盛り上がった。「真面目な人。落ち着いているし、話していて心地よく、初めての感じがしない」と七絵さん。和音さんも「番組などでの明るくて元気な印象そのまま」と感じ、互いに好印象を抱いた。ただそれは「恋心というより、いい友達になれそう」という感覚だったと口をそろえる。

 しばらくして、七絵さんが「一緒に焼き肉行こう」と和音さんを誘った。自宅が近かったこともあり、互いに忙しい身でありながら、スキ間の時間を利用してランチをともにするなど、週1回程度のペースで会い、恋心を育んでいった。

 だが和音さんは期限付き移籍のため、同年で岡山を離れることに。「去ることが決まって寂しいという気持ちになって……」と翌年1月、七絵さんに交際を申し込んだ。だが返事は「今は必死になってチームを探した方がいいんじゃない? 私のことはその後でいいから」。3月になって松本山雅(長野県松本市)への加入が決まった和音さんは3月29日、いよいよ花束を手に岡山へ戻り、再アタック。七絵さんは笑顔でOKした。

「泣きながら電話してきたことも」

 遠距離恋愛が始まると同時に新型コロナが猛威を振るい、なかなか会えない日々が続いた。頼りはスマホアプリのビデオ通話。ほぼ毎日、双方がその日の出来事を話した。和音さんいわく、

「七絵の取材がうまくいかず、ディレクターやカメラマンに迷惑をかけたと、悔し泣きしながら電話してきたこともあった」

 電話をしながら二人とも寝落ちしてしまい、そのまま朝を迎えたこともしばしばだったという。

 21年シーズンから、和音さんはザスパクサツ群馬(前橋市)へ移籍。同年5月末でRSKを退社した七絵さんとの同居を始める。

「緊張でほとんど声が出ず…」

 七絵さんの25歳の誕生日となった同月28日、高崎市のチャペル付きレストランで和音さんはプロポーズした。七絵さんにしてみれば「全くのサプライズ」。一方、1カ月前に店を予約し、準備を重ねてきた和音さんは極度の緊張から「何とか料理は全部食べたけれど、箸が進まず、味も分からなかった」と苦笑する。

「結婚してください」

 和音さんははっきり言ったつもりだった。しかし、「緊張でほとんど声が出ていなくて聞こえず、口の動きで分かった」と振り返る七絵さん。「こちらこそよろしく」と応じると、二人を祝福するように、Official髭男dismの「115万キロのフィルム」がチャペルに流れた。

 もともと料理が得意な七絵さんは、和音さんのコンディション作りのため「アスリートフードマイスター」の資格を取得。昨年、通算100試合出場を果たした和音さんは、レイラック滋賀FCへの所属が決まり、「子供にサッカーをしている姿を見せたい」と意気込む。その夢を、彼に笑顔で寄り添う七絵さんと、愛犬のトイプードルの音ちゃん(牝3歳)がしっかり支えてくれそうだ。

「週刊新潮」2024年2月29日号 掲載