任期は来年まで

 裏金問題、赤ベンツ不倫……自民党に大逆風が吹く中で迎える衆院東京15区補選(4月28日投開票)に別の意味で注目が集まっている。各党が新人候補の擁立を決める中、旧立憲民主党で格闘家の須藤元気参院議員(46)の名前が浮上。19年に比例代表で当選している須藤が、もし出馬するとなれば、あの国民的アイドルグループの元メンバーが“繰り上がり”、新人議員が誕生する。

 繰り上げ当選の可能性があるのは、モーニング娘。の元メンバー・市井紗耶香(40)。19年の参院選で立憲の比例区から出馬するも、次点で落選している。この時、市井を抑えて、当選したのが須藤だった。

 総務省に確認したところ、3月8日の段階で、立憲の比例区の名簿に市井の名前が残されている。

「繰り上げ当選となれば、本人は受ける可能性はあるでしょう。任期は来年までですが、あと約1年半もある。元アイドルの国会議員となれば、22年に当選した生稲晃子さん以来です。スポーツ紙など、メディアの取材が殺到するでしょう」(政界関係者)

 市井は98年に第2期メンバーとして「モー娘。」に加入。同期には、保田圭、矢口真里らがいる。現在は4児の母親で、「女性が子育てをしながら、安心して働ける社会を実現したい」と19年に出馬したが、落選した。

 その後、21年には、翌年の参院選に立憲の比例区から出馬すると表明するも、自身のSNSで「子育てと選挙活動を両立していくことの厳しさも痛感した」として、出馬辞退を表明。最近は、短編映画「気づかなくてごめんね」に出演するなど、芸能活動が目立っている。

直撃に「しっかり準備」

 一方の須藤は、19年の立憲比例区で当選以降は、20年の都知事選でれいわ新選組の山本太郎代表を支援していて、その際に立憲に離党届を提出。受理されなかったものの、その後、立憲と国民民主党が合流した際、参加せず無所属となっていた。

「無所属では、次の参院での再選は難しいでしょう。江東区出身の須藤本人も、衆院に鞍替えしたかったようです。このまま無所属で出馬し、立憲やれいわが応援に回る形になるのではないでしょうか」(前出の政界関係者)

 20年の都議補選時に、「週刊新潮」が市井に“繰り上げ当選”について、直撃した際には次のように答えている。

「ハイ、いつでも支持者の期待に応えられるように、しっかり準備しておかなくてはと思っています」

デイリー新潮編集部