初回視聴率が11・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)を記録し、目下のところ春ドラマNo.1の高視聴率を記録した長谷川博己(47)主演の日曜劇場「アンチヒーロー」(TBS)。長谷川が生放送の番宣に遅刻して、かえって話題になったという声も!?
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4月15日、「アンチヒーロー」のスペシャル舞台挨拶が都内で開催された。長谷川はドラマの好スタートを感謝するとともに、生放送での遅刻について「人生終わると思いました」と反省し、笑いを取った。
X(旧ツイッター)では「長谷川博己」がトレンド入りするなど、話題となった遅刻を再現してみよう。
14日スタートの「アンチヒーロー」の番宣は、放送3日前の11日(木)に行われた。どんな手段を使ってでも犯罪者の無罪を勝ち取る弁護士を演じる長谷川をはじめ出演者が、安住紳一郎アナがMCを務める「THE TIME,」を皮切りにTBSの情報番組に片っ端から出演するというものだった。
ところが、初っ端の「THE TIME,」に長谷川の姿はなかった。7時31分、江藤愛アナがコーナーの進行を始める。
江藤アナ:さて、「TIMEマーケティング部」ですけれども、今朝はゲストにお越しいただきました。日曜夜9時スタート「アンチヒーロー」から、北村匠海さん、堀田真由さんです。
――画面の中央に北村、右側に堀田と、弁護士チームの2人はいるのだが、肝心の長谷川の姿がない。誰もいない画面の左下には、【長谷川博己】のテロップだけが出ている。
北村:すいません、(長谷川は)ちょっと事件の調査に行ってまして……。
安住アナ:ちょっと?
北村:ちょっと、いろんな事件が重なっちゃって……。
安住アナ:そうですか。現状を教えてもらっていいですか? どうなってるのか。
北村:あのー、遅刻です! 博己が遅刻しております!
――スタジオから爆笑の声が入るが、安住アナがフォローに回る。
すいません、すいません
安住アナ:きっと昨日も、撮影、遅くまであったんでしょ?
北村:そうですねえ。
安住アナ:今日はプロモーションということで、朝から夕方まで、ずーっとだから大変だ。連絡はついたのかな?
北村:つきました。さっき、いました。
堀田:楽屋にいらっしゃいました。
安住アナ:さっきいた?
北村:なんか今、頑張ってます。
安住アナ:へえ。堀田さん、長谷川さんてどういう方ですか?
堀田:すごいチャーミングな方ですね。
安住アナ:今言うと、いろんな意味持っちゃうけど。一応……あともうちょっとかな?
北村:あともうちょっとで調査も終わると思うので……。
――だが、長谷川は現れない。やむなく「ご近所トラブルを解決する方法」のVTRに進む。その間、長谷川が頭を下げながらスタジオに入ってきたところがワイプで中継された。7時41分、画面がスタジオに切り替わり、長谷川がセットに登場した。
長谷川:すいません。いやいやいやいや……(と席に着く)。
安住アナ:今日はもう忙しいから。昨日も遅くまで撮影ですもんね。
長谷川:あー、はい。そういうことにしといてください。
安住アナ:差し支えなければ、何時ごろに?
長谷川:昨日は夕方16時半には終わりました。
北村:昨日遅かったのは、(堀田と)我々2人。
長谷川:ちょっと昨日は……すいません。
安住アナ:今日はね、長谷川さん、この後「ひるおび」にも出るし「ゴゴスマ」にも出るし「Nスタ」にも出ますから、たぶんずーっとイジり倒されると思います。そしてもうネットニュースが沸いてます。
長谷川:いや、本当、申し訳ない。
――謝り通しの長谷川だったが、もちろん番組の宣伝は行った。
20分前に起きた
長谷川:殺人犯を無罪にするという、一見とんでもないことをする弁護士が主人公のドラマ。毒を描くことで真実をしっかり伝えていくドラマであって、何が真実で何が嘘なのか……生きている上では誰も隣り合わせにあることを「アンチヒーロー」では描いています。
安住アナ:なんで半笑いなんですか?
長谷川:本当に20分前に起きたばっかりで、頭がちょっとまだ……すいません!
ドラマの主役が生放送に遅刻とは珍しいが、クールに見える長谷川の貴重な一面が見られたという声もある。ただし、北村も堀田も長谷川は「楽屋にいた」と言っていたのに、長谷川は「20分前に起きた」と言う。どういうことなのだろうか。民放ディレクターに聞いた。
「遅刻は本当だと思います。ただ『20分前に起きた』はリップサービス、あるいは『20分前にTBSに着いた』と言いたかったのかもしれません。いずれにしても、長谷川はそれほど遅れたわけではないはずです」
楽屋にいたのなら、3人揃って出てくればよかったのでは?
「あくまで推測ですが、あえて7時31分の登場に間に合わせることをせず、遅刻したというハプニングを利用した演出だった可能性はありますね」
遅刻を演出?
演出の勝利
「最近の例で言えば、4月8日放送の『5時に夢中!』(TOKYO MX)では、月曜コメンテーターのマツコ・デラックスと若林史江が1分ほど遅刻しました。局内のエレベーター事情によるものだそうですが、遅刻したらマズいという緊張感はなかったように思います。スタッフも少しくらい遅刻したほうが面白いくらいに考えていたはずです。ところがネット上では、『舐めてる』『面白いと思っているのか』といった非難の声が見られました。また、3月29日放送の『ぽかぽか』(フジテレビ)では、新レギュラーの松田元太(Travis Japan)が出演曜日でもないのに遅刻ドッキリにはめられて、番組後半になってようやく登場。そのタイミングや出方、衣装などが演出臭かったこともあり、ドッキリ成功となったかどうかは微妙でした」
遅刻の演出も難しいということか。
「生放送で遅刻する人のほとんどは本人のミスです。ただ同じ遅刻でも、放送時間中に起床したというケースと放送時間前にテレビ局には着いたもののメイクなど準備が間に合わないなどのケースがあります。そこで遅刻をどう演出するかということが起こります」
テレビ局に来ていないケースでは?
「携帯電話で繋ぐなど、本人がそこにいない演出を考えます」
テレビ局に遅れて着いた場合は?
「急いで間に合わせるか、出演コーナーをずらす。あるいは、あえて遅刻させます」
あえて遅刻させたのが長谷川というわけだ。
「本当にギリギリ間に合わなかったのかもしれませんが、番組スタッフは“長谷川博己が生放送に遅刻”を面白がっていたでしょうし、安住アナだって落ち着いていました。遅刻は話題にもなったし、番宣にもなったと思っているはずです」
かくして「アンチヒーロー」の初回視聴率は二桁発進に。
デイリー新潮編集部