ドラマ「不適切にもほどがある!」(TBS系)で注目を浴び、現在放映中の「RoOT/ルート」(テレ東系)でW主演の一人を務める、女優の河合優実(23)。6月7日公開予定の映画「あんのこと」(入江悠監督)では早くも主演を張るなど、目覚ましい活躍を見せる彼女だが、その素顔には“お茶目”で“エネルギッシュ”な一面も――。

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 河合は他にも、漫画『チェンソーマン』作者の藤本タツキ氏による原作マンガ『ルックバック』の劇場版アニメ(6月28日公開予定)でも声優としてW主演を務めるなど、現在、オファーが殺到している状況にあるという。

「河合さんのデビューはコロナ禍の始まりと重なる2019年。にもかかわらず、この間、『サマーフィルムにのって』や『由宇子の天秤』など多くの映画に精力的に出演し、新人賞を“総ナメ”にする勢いを見せてきました」(映画ライター)

 これまで河合は「第43回ヨコハマ映画祭」最優秀新人賞、「第95回キネマ旬報ベスト・テン」新人女優賞、「第64回ブルーリボン賞」新人賞などを受賞。「演技力」に定評がある河合について、民放キー局関係者がこう話す。

「“頭が良くて、観察眼にすぐれた女性”との印象を持っています。おそらく意識的に予定調和な演技を避けていると思うのですが、“自然体”というより、一つひとつの所作や表情にも自分なりに考えた根拠が伴っているような感じ。ただし、その“素顔”は演技やエキゾチックな容貌のイメージとは違って『ギャップがある』と評判です」

お酒は「ビール党」

 河合は東京都練馬区出身で、三姉妹の長女として2000年に誕生。かつてWEB雑誌の取材に「父が医師で、母は看護師」だと答えている。その両親の影響で、10代の頃から映画や演劇などに多く触れ、彼女自身、「タランティーノ好き」だと明かしている。

「中学時代はバスケ部で、高校は都内の名門『国際高校』に進学し、ダンス部に所属。学生時代は学級委員を務めるなど、クラスでもリーダー的なポジションに就くことが多く、高校の卒業式では生徒を代表して答辞を読んだそうです。面立ちや話し方から内省的に見られることも多いですが、小3からダンスを習っていたなど、実際はかなりアクティブな女性。いまも1日5〜6キロ、自宅周辺をウォーキングする日があると言っていました」(同)

 高校卒業後、河合は日大芸術学部に進学。在学時に俳優の道へ進む決心をし、小林稔侍やオダギリジョーらが所属するプロダクション「鈍牛倶楽部」にみずから応募したことで、キャリアがスタートする。

「ちなみに『RoOT/ルート』でW主演を務める坂東龍汰とは同じ事務所で、坂東はインタビューで、河合さんを動物に例えると『黒ヒョウとかソッチ系』と答えている。身体を動かすことと同様、彼女は食べるのも大好きで、好物の餃子などは餡から自分で作ることもあるとか。お酒もイケる口で“ビール党”だと聞いています」(同)

俳優・佐藤二朗も「脱帽」

 河合はウェブサイト「anan Beauty+」で、自身のメイクについて「基本的に引き算主義」と表現。「外見を評価されるための努力は自分が望むことではないと感じていて」と語っている。

「一部の映画関係者からは“飾らず”“演技に真摯”な姿勢などから『蒼井優を彷彿とさせる』といった声が上がっています。蒼井さんも19歳の時に出演した岩井俊二監督の『花とアリス』で日本映画プロフェッショナル大賞・主演女優賞に輝くと、20代前半までに数々の賞を手にしてきた。デビュー以降の女優としての軌跡も、蒼井さんを想起させる部分がある」(前出・映画ライター)

 早くも“大物”の予感すら抱かせる河合だが、自身の欠点として、日常移動でもスマホの地図アプリを使うほどの「方向音痴」な点を挙げている。

「また“趣味はひとりサウナや温泉”と取材に答える気取らない部分も、彼女が幅広い世代から好感を持たれている理由の一つでしょう。映画『あんのこと』で共演した俳優の佐藤二朗氏は完成上映会で“河合優実に感謝している。(互いが対峙する)このシーンは絶対に外せないと、俺をそんな気持ちにさせてくれた”と語り、河合さんによって本気の演技が引き出されたと絶賛。まだまだ伸びるどころか、どこまで化けるか分からない期待の大型新人です」(同)

 女優の道だけは見失うことなく、着実に歩を進めているようだ。

デイリー新潮編集部