「不適切な行為」とは取引先に勤める女性との不倫

 4月17日、ドラッグストア業界のトップを走る「ウエルシア」の松本忠久社長が突如辞任を発表。ウエルシアHD(ホールディングス)はその理由について「私生活において不適切な行為があり当社の信用を傷つけるものと判断した」としている。この「不適切な行為」とは、実は松本氏の不倫。「週刊新潮」が不倫の証拠をつかみ、松本氏やウエルシアに取材した結果の辞任だった。

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 不倫相手は、取引先企業に勤める中国人女性。

 むろん、これをあくまでも個人の問題と主張することも可能なのかもしれない。

 が、言うまでもなくドラッグストア最大手である同社は消費者の健康、時に生命にも深く関わる存在である。

 その取引先との関係に疑念が生じる余地があるのは望ましいことではなかろう。折しも 小林製薬の「紅麹問題」の一件もあり、医薬品や健康食品などの扱いについては、国民からより厳しい目が向けられるようになっているはずなのだが――。

急成長のウエルシア

 ドラッグストア業界のトップを走る「ウエルシア」。日本全国に2751店舗を擁し、直近のグループ売上高は1兆1442億円と業界1位。ドラッグストアチェーンで初めて売上高1兆円を達成したトップランナーだ。

「同社の急成長の理由は大胆な合併戦略にあります」

 と解説するのは、さる流通ジャーナリストである。

「もともと埼玉の小さな薬局からスタートしましたが、同業者と合併を繰り返し、成長を遂げた。転機となったのが2000年にイオンと業務提携したことです。大資本と手を組んだことで、出店店舗数が飛躍的に増し、さらなる合併が可能になりました。14年にはイオンの子会社になり、より規模が拡大しました」

 この10年で売上高は4倍と、業界で驚異といわれるほどの伸びを見せたのだ。

 この2月、ビッグニュースとなったのは、同社が業界2位「ツルハ」との統合協議開始を発表したこと。トップ2の統合が実現すれば、同社の売上高は2兆円を超え、国内断トツ、世界でも第5位に躍り出る。

「日本のみならず、中国や東南アジアへの進出を本格化させていく算段でしょう」(同)

30歳ほど年下の女性と…

 そんな昇り龍の企業において、トップもつい気が緩んでしまったのか。

 ウエルシア薬局など傘下企業を束ねる持株会社はウエルシアHDといい、東証プライム上場だが、

「このトップだった松本(忠久)氏が、中国人女性と不倫関係にあるんです」 

 と声を潜めるのは、さる事情通である。

「しかも、その女性は30歳ほども年下で、取引先の会社の関係者。同社の商品をウエルシアで多数取り扱っているだけに、カモにされているのではないかと心配ですね」

 松本氏は、1958年、長野生まれの65歳だ。実家は薬局で、北陸大学薬学部を卒業した薬剤師。サンドラッグやいいのなどのドラッグチェーンに勤務した後、合併に伴ってウエルシア入り。上海やシンガポールなどの合弁会社でトップを務めた後、2019年にウエルシアHDの社長に就任した。

腕を組んだり、肩に手を回したり…

 例えば、この3月15日、金曜日の夜。松本氏の姿はさる首都圏の都市にあった。

 松本氏の愛車は白色のベンツ。新車なら1000万円はするであろう代物が、住宅街のコインパーキングに入ってきたのは19時少し前。

 車から大きな荷物を抱え、松本氏と当該の女性が降りてきた。肩を並べて近くのマンションへ入る。実はこの一室が女性の自宅。この夜、松本氏は日付が変わるまで出てくることはなかった。

 翌々日、17日の日曜日。二人の姿は、今度は都内湾岸部のゴルフ場にあった。8時半にスタートした男性2名、女性2名の4人組の中に、二人の顔が見える。グリーン上では、女性が時折松本氏と腕を組んだり、逆に松本氏が女性の肩に手を回したりする場面も。他のメンバーもそれを自然に受け入れているところから見ても、二人の交際は仲間内では“公認”のようだ。

 15時前、ラウンドが終わると4人は同伴の男性がハンドルを握る車で池袋へ。本格派の中華料理店に入り、19時には同じ車で店を出た。そして都心に向かい、あるマンションの近くで松持氏と女性だけが降りて中へ入る。そのまま日付が変わるまで女性が出てくることはなかった。実はこのマンション、ウエルシアHD本社のすぐ近く。自宅が会社から遠方にある松本氏のため、ウエルシアが賃料の一部を負担した“社宅”である。

 週末を共にし、松本氏と互いの部屋に泊まり合うこの女性――。

 一体、何者なのか。

 先の事情通によれば、

「30代後半の中国人で、日本語も片言。首都圏にある、健康食品の製造販売会社などで勤務しています」

 同社は大手ドラッグストアにも商品を納めているが、そのひとつがウエルシアだという。

 後編では、松本氏と女性のまるで恋人のようなデートの模様や、直撃に松本氏が語った赤裸々な胸中について報じている。

「週刊新潮」2024年4月25日号 掲載