1920年創業の米国シアトル発アウトドアブランド〈エディー・バウアー〉。その膨大なアーカイブと現行プロダクトを照らし合わせ、これまでの100年から、これからの100年の名品を考える。

さらに進化した防水透湿性

防水・透湿・防風を備えた3レイヤーのハイスペックシェルジャケット。シームシーリング加工により縫い目からの雨の侵入を防止、ポケット内部がメッシュ加工になったベンチレーションで透湿効果を向上させるなど、細かいところまで計算して設計されている。1万5850円

元来アウトドアアパレルとはその機能性とともに進化を遂げてきた。その代表格は間違いなく、防水性や透湿性を備えた機能性ファブリックだ。1960年代後半に登場した通称ロクヨンクロスは横糸にコットン、縦糸にポリエステルを約60/40%の割合で混合することにより、コットンが湿気を吸収すると膨張する性質を活かして水分の侵入を防ぐ、“機能素材の元祖”として名高い。

1970年代半ばには米ゴアテックス社が開発した特殊メンブレンをラミネートした多層構造の生地により、防水透湿性を飛躍的に向上させ、数多くのアウトドアブランドがこの画期的な素材を自社製品に採用した。例に漏れず、エディー・バウアーも各時代の最先端ファブリックを用いていたのがアーカイブを見ればよくわかる。

そして現在。軽量性や伸縮性を兼ね備え、さらに進化した防水透湿性3層構造生地のシェルジャケットもここまでリーズナブルに手に入れられるようになった。これはハイスペックアパレルをより身近なものにしたブランドの功績に他ならない。

各時代の最先端ファブリック

60/40クロスからゴアテックスへとアップデートしながらエディー・バウアーも時代ごとに防水透湿性能のジャケットを作り続けてきた。

ロクヨンクロスを使用した80s製マウンパ。1万4190円(バックストリートTEL042-720-0355) 80s製ゴアテックス素材のセイルジャケット。1万6280円(ピグスティ 原宿店TEL03-6438-9969) 90s製ゴアテックス素材。1万6390円(デザートスノー 千葉TEL043-225-9600)

【問い合わせ】
水甚
TEL058-279-3045
https://eddiebauer.jp/

(出典/「2nd 2024年7月・8月合併号 Vol.206」)

著者:上田カズキ