ティモンディの前田裕太(写真:Pasya/アフロ)

 2月末にプロ野球独立リーグ・BCの栃木ゴールデンブレーブスとの契約更新を発表した、お笑い芸人・ティモンディの高岸宏行。二足のわらじにとどまらず、俳優としても活動し六面八臂の活躍を見せているが、最近は“じゃない方”の相方・前田裕太(31)にも注目が集まっている。

 バラエティーを主戦場にするティモンディだが、そもそも、どんなお笑いコンビなのか。

「2人は高校時代、野球部で出会い意気投合。大学時代にともにプロを諦め、お笑いの道に進みました。高岸さんは、サンドウィッチマンが東日本大震災の被災地の復興支援をしている姿を見て心を打たれ、お笑いは人に勇気を与えられる職業だと確信し芸人を志すようになったとインタビューで語っています。デビュー後は、『やればできる!』と前向きに人々を鼓舞するスタイルで人気を博し、コロナ禍で閉塞感があった時代の癒やしとなりました。現在は愛媛・伊予観光大使を務めたり、『天才てれびくん』でレギュラーを持つなど、幅広い層から支持を得ており、彼らのYouTubeチャンネルは登録者数が27万人を超えています」(テレビ情報誌の編集者)

 そんなティモンディだが、最近になって、前田にも注目が集まってきたのはなぜか。その大きな理由は彼の計り知れないポテンシャルにある。まずはゴルフの腕前。3年前にゴルフを始めると、メキメキと上達。昨年末に競技ゴルフの大会に出場すると、予選を突破し、全国大会への出場が決定。コーチ陣も驚く運動神経とセンスのよさを見せつけた。

■特待生で明治大学法科大学院に進学

「高岸さんに隠れがちですが、前田さんの身体能力はすごい。高校時代はスポーツ用品メーカーが行っている全国高校野球部員を対象にした筋力測定で、2年連続で1位になっているんです。前田さんのすごさを検証するテレビ番組も放送され、跳び箱16段を1発でクリアしたり、バスケットボールのフリースローラインからトランポリンを使ってのダンクシュートをこれまた1発で決めてしまったり。難易度の高いスゴ技をいとも簡単に次々と成功させてしまうので、SNSでは『すごすぎて笑ってしまう』という声も上がったほどでした」(同)

 さらには、学力も高い。愛媛県の高校を卒業後、駒澤大学法学部へ進学。自身いわく「授業は一番前で聞くタイプ」だったという。大卒後は法律事務所への就職を考えており、4年間みっちり勉強したという(「明大スポーツ新聞」2020年8月20日配信)。

「大学での成績がよく、教授から大学院を勧められたので、2〜3校の試験を受けたところ、なんと全ての院で学費全額免除となったというから驚きです。明治大学の法科大学院とほぼ同時に芸人となり、当初は院と並行して活動をやっていたそうです。その後、芸人の道を選択して院は中退したと取材で明かしています。大学時代は塾講師をしていたことがあったため、試しに1カ月間、サンドウィッチマン富澤さんの息子さんの家庭教師もしたことがあったとか。教え方が上手だったのか、成績が少し伸び、『このままお願いしたい』と1年以上続けたといいます。そんな縁もあり、富澤さんとは家族ぐるみで仲がよく、『おまえら絶対売れるから、このまま頑張り続けろよ』と期待されていたようです」(同)

■黒柳徹子が自宅の部屋に来た

 さらに、前田は保護猫活動に積極的で、現在は先住猫2匹と保護猫1匹の3匹と生活をしており、出演している「嗚呼!!みんなの動物園」(日本テレビ)では、“ニャレ兄“の愛称で親しまれている。2月17日放送回では、前田の部屋に、黒柳徹子が訪れる様子が紹介され話題となった。前田は黒柳に「他のご自宅って(行かれたことはありますか?)」と質問すると、「一人だけは行ったことがあるわ。清水ミチコさんの家」と回答。前田の部屋は“史上2人目の「徹子が来た部屋」”と評された。

「猫にやさしく穏やかに接する姿に、癒やされる視聴者も多いようです。なかなか気難しい猫も前田には心を開くようで、人柄のよさが画面からもうかがえます。同番組内では、おしゃれな料理をササッと作る姿も名物となっており、料理上手な一面も判明。なんでもこなしてしまう前田さんを見て、SNSでは『料理上手で多趣味で猫好きってティモンディ前田(さん)完璧すぎる』という声もあがっていましたが、本当にその通りですよね」(前出)

 さて、肝心のお笑い芸人としてはどうなのか。お笑い評論家のラリー遠田氏はこう語る。

「運動も勉強も得意な前田さんは、何でもそつなくこなす高い能力を持っています。たしかにそれは強みではあるのですが、芸人はどこかにスキがあった方が好かれやすいという面もあります。前田さんと似たようなタイプの芸人であるコットンの西村真二さんもかつて『しくじり先生』に出演した際に、あまりにも能力が高くて自信満々すぎるところを先輩芸人に面白がられ、イジり倒されたことで、新たな魅力が出てきたことがありました。前田さんもそういった形で人間味を引き出される機会があれば、そのときに一皮むけるのかもしれません」

 文武両道で、やさしく、料理も得意で顔もよい。高スペックすぎる前田が芸人としてもブレークする日を期待したい。

(高梨歩)