学習院大学の卒業式に臨んだ愛子さま=2024年3月20日、東京都豊島区、代表撮影/JMPA

 4月から新社会人として、成年皇族として新たな一歩を踏み出されようとしている愛子さま。3月26日には初の単身訪問で伊勢神宮を参拝された。

「22日には天皇皇后両陛下が、能登半島地震で100人以上が亡くなった石川県輪島市を訪問され被災状況を視察、被災者をお見舞いされました。被災地への訪問は、愛子さまもご一緒に、との声もありましたが、伊勢神宮参拝を控えておられるため別行動になったそうです。愛子さまは10年前に皇太子時代の両陛下と一緒に伊勢神宮を訪れていますが、おひとりで参拝されるのは初めて。今回の参拝は学習院大学の卒業と日本赤十字社への就職の報告でしたが、成年皇族として務めを果たしていくという強いお気持ちがおありになったのではないでしょうか」(皇室ジャーナリスト)

美しい柄行の本振袖をお召しの愛子さま=2024年3月20日、東京都豊島区の学習院大、代表撮影/JMPA

 愛子さまが卒業後の進路に海外留学や大学院進学を選ばず、日本赤十字社への就職を選択したことについて、皇室記者は「両陛下の日常のご活動を通じて自ら選択したのでしょう」と解説する。

「愛子さまは大学で福祉の授業を履修されており、福祉については以前から大変関心を持っていたようです。日赤と皇室の関係は明治の頃から深く続いており、皇后さまは日赤の名誉総裁に就いています。日赤の社長が両陛下にご進講を行う際に、愛子さまがご一緒することもあり、日赤の行っているさまざまな活動に触れる機会がありました。日々のご両親の福祉へのお考えを聞く中で、少しでも社会へ貢献したい、福祉を通して人々の役に立ちたいというお気持ちを強くされたといいます」

春風のようなほほ笑みの愛子さま=2024年3月20日、東京都豊島区の学習院大、代表撮影/JMPA

■日赤では「特別扱い」はなし?

 4月からの勤務は、公務もあるので非常勤となる。通勤は警備上の問題もあるため、公共交通機関ではなく車での通勤になると思われるが、お給料も支給されるという。

「皇族だからという “特別扱い”はなく、一般の事務作業もされるようです。愛子さまの語学力を生かして、特に海外の関連組織との連携が主な仕事になるようです」(皇室記者)

 しかし、現在の皇室の状況を考えると、愛子さまへの公務の担い手としての期待は計り知れない。

「2月に体調不良で出席を控えられた紀子さまに代わり、来日中のケニアのルト大統領ご夫妻をお招きしての宮中午餐会に出席された際も見事な外交デビューでした。愛子さまがお出ましになるだけで、その場が華やかになり、愛子さまへの国民の期待と人気は増すばかりです。今後、愛子さまがご結婚された後も、なんらかの形で公的な活動を続けられるのを期待されるでしょう」(皇室ジャーナリスト)

 雅子さまは昨年12月9日のお誕生日に際してのお言葉で「まだあどけないところも残る愛子ではありますが、いろいろなときに私たちを助けてくれるようにもなってきたと感じます」と述べられた。愛子さまの思慮深さと慈しみに満ちたお人柄は、両陛下からの惜しみない愛情で形成されたのものであることは間違いないだろう。

(緒方博子)