自民党の三原じゅん子参院議員=神奈川選挙区=が、横浜市の自宅で愛車を盗まれた。高級SUV車とみられる。今回は自宅に止めてあるところを狙われたようだが、窃盗団は走っているときから狙っており、高速道路のサービスエリアでも被害に遭うという。その手口を聴いた。
4日に自身のXで、車が窃盗に遭ったことをこう投稿した。
「車の窃盗に遭いました。出掛けようと自宅を出たら、そこにあるはずの車が無い! 警察に通報し被害届を出しました。まさか自分が、いいえ誰にでも起こり得る被害。皆様くれぐれもお気をつけください」
■盗難の手口は「リレーアタック」の可能性?
三原氏側によれば、2日午後5時ごろ、車で自宅に帰宅し、翌3日昼に車がなくなっていることに気づいたという。三原氏は神奈川県警に被害を届け出た。
一部では、盗難の手口は「リレーアタック」の可能性があるとも報道された。
リレーアタックとはどんな手口なのか――。
東京都江東区の鍵専門店主は自身の車のスマートキー(電子鍵)を取り出し、「リレーアタック」という手口についてこう説明してくれた。
「このスマートキーの中には電池が入っていて、微弱な電波を出しているんです。たとえば、自宅の玄関近くにキーを置いておくと、家の外にいる窃盗団はその電波を特殊な機器を使って受信し増幅させます。それを2人目、3人目と中継し、車が止めてある場所まで電波をつないでいくやり方です。車の近くまできたらドアを開けて、エンジンをかけることができます」
この方法だと、自宅に限らず車の盗難が可能になるという。
「窃盗団は目をつけた車の後をつけ、狙っているわけですよ。たとえば、レストランで食事していたり、高速道路のサービスエリアのトイレにいたりするときでも、車の持ち主はスマートキーを持って入るわけですから。あとはリレーアタックで駐車場まで電波を飛ばしていけばいいだけです」(鍵専門店の店主)
三原氏は芸能活動をしていたころ、レーシングドライバーとして国際B級ライセンスを取得。「全日本GT選手権」(現・SUPER GT)、「スーパー耐久」など、数々のレースに出場していたことでも知られる。今回、盗まれた愛車は高級SUVと呼ばれるランドクルーザー(ランクル)とも報じられた。
前出の鍵専門店主の知人は、高級車のレクサスを盗まれたという。
「レクサスの中でもさらに高級で、1500万円くらいする車なのに、買ってすぐに盗まれたんです。自宅の車庫に入れていたところをもっていかれたそうです」(同)
リレーアタックからはどのように愛車を守ればいいのだろうか。
前出の鍵店主は、
「スマートキーは玄関近くには置かず、アルミ缶など電波を遮断する容器に入れておくことですね」
と話す。ただ、最近はリレーアタック以外の新しい手口も出てきているという。
■バラされて海外で組み立てか
一方、盗まれた車はどうなるのか。
神奈川県内の中古車専門業者は、
「ランクルは人気があるんですよ。年中、盗難に遭っています」
と話した上で、こう解説する。
「車の鍵穴を別のものに取り換えれば、別のキーが使えるようになります。通常、走っている分にはわからないですが、車体番号があるからたいてい車をバラバラに解体します。それをネットのサイトで、部品として販売するという方法もあるし、バラバラにして海外に持っていき、現地で組み立てるという方法もよくあります」
三原氏の事務所に、盗まれた車の車種を聞いたところ、
「車種は事務所からは伝えていないです。朝日新聞が報道で出している記事が事務所としてお伝えできる全てです」
とのこと。朝日新聞の記事をみると、
「三原氏側の説明によると、2日午後5時ごろ、乗用車で帰宅した。その後、3日昼になって盗難被害にあったことに気づき、県警に通報した。乗用車は三原氏の名義という」
とあるだけで、車種などについては出ていなかった。
また、スマートキーをどのように保管していたのかについて聞くと、
「そこも含めて事務所からはお伝えできかねます」
という答えだった。
三原氏はXで、
「政治家として何が出来るか考えしっかり行動してまいりたいと思います」
とも投稿した。
車の盗難は後を絶たない。自らの体験をもとに、車の盗難の実態解明や、対策に斬り込んでいってほしい。
(AERA dot.編集部・上田耕司)