全国赤十字大会が今月15日、東京都渋谷区の明治神宮会館で開催された。名誉総裁の皇后雅子さまは、赤十字社の活動に尽力した個人や団体に有功章を授与。秋篠宮妃紀子さまをはじめ名誉副総裁の妃殿下方も出席した。

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 皇室と日本赤十字社はゆかりが深い。明治時代に昭憲皇后は、現金を下賜する形で支援を続け日本赤十字社の設立と経営に力を尽くした。 

 皇室との関係が深まったのは、1888(明治21)年。福島県の磐梯山噴火の際、昭憲皇后が医師の派遣を命じたのをきっかけに、世界の赤十字に先駆け、戦時以外の災害救護活動を行うようになる。献血事業や医療・福祉事業を手がけ、皇室も支援を続けてきた。戦後より、日赤の名誉総裁は代々の皇后が、名誉副総裁を皇族妃が務めてきた。

 年に一度開催される全国赤十字大会において、皇后と妃殿下方は、白や紺を中心に胸の赤い記章が美しく映える装いで出席する。女性皇族のエレガンスな装いは、昭憲皇后から受け継いだ公務への矜持とも受け取れる。

(AERA dot.編集部・永井貴子)