最近、「時短」という言葉を様々な場面で聞くようになりました。早朝から場合によっては夜までかかるゴルフも「時短」が求められるようになってきているそうです。そんな「時短ゴルファー」のニーズに応えるため、ゴルフ場はどのような施策を行っているのでしょうか。

スルーやハーフプレーのプランは確実に増加

 コロナ禍で増加したスループレープランは、多くのゴルファーに「ゴルフは半日で終わる」ということに気づかせたのではないでしょうか。

 貴重な休みをゴルフだけに割くのではなく、ショッピングや観光といった別の時間にもあてたい、そんなニーズが増えています。またビギナーや体力低下が心配なシニアの中には、9ホールだけで十分といった人もいます。

「ゴルフに一日を費やす」という考えは今後はどんどん少なくなっていくかも!? 写真:AC
「ゴルフに一日を費やす」という考えは今後はどんどん少なくなっていくかも!? 写真:AC

 プレーフィー安さを求めると、どうしても都市部から離れたゴルフ場になりますが、最近は高くても帰りの渋滞を避けられる家から近いところを選択する人も多くなってきています。さらに安さだけに固執して「ハーフ3時間以上」といったゴルフ場も避ける傾向があるそうです。そこで、時短ゴルフのニーズについてゴルフ場に話を聞きました。

「スループレーの需要は年々高まっています。ハーフプレーも、首都圏近郊のゴルフ場を中心に利用が増えている傾向にあります。当社では3〜10月にかけては午前スルー、午後スルー、薄暮ハーフプレーの予約枠を広げて、ゴルファーの需要に応えられるようにしております」

「うちのゴルフ場ではハーフプレーだけでほぼ毎日来る人もいます。通常のラウンドとハーフプレーでは料金差が単純に半額ではなく割高になるのですが、金額よりもタイパを重視するゴルファーも結構いらっしゃいます」

 など「時短」ニーズの高まりに対して、ゴルフ場もできる限り対応しているということでした。

「高くても早く終わる」スタイルが今後は拡大!?

 通常のプレーだけでなく、ゴルフ場が開催するオープンコンペにも時短が求められているそうです。18ホールすべてのスコア集計で順位を決めると、前半の組でスタートしたゴルファーには待ち時間が発生し帰りも遅くなります。

 そこでオープンコンペも今や前半9ホールでのスコア集計が主流。トップスタートの組でも18ホール終了後にはコンペ結果が出ているので、プレー後すぐに賞品をもらって後続組を待つことなく帰途につくことができます。

 今では、ほとんどのオープンコンペが「9ホール集計」を採用しているそうです、これも時短ゴルフのニーズが高くなった影響といえます。

 別のゴルフ場関係者は「スルーやハーフプレーへのニーズはそのゴルフ場の立地やアクセスによって違う印象です。都市部に比較的近いゴルフ場では、アクセス面とプレー面の両方で時短を求める人が多く、スループレープランの料金を上げても来場者は減らない傾向にあります」

 このように、時短ゴルファーのニーズに少しでも応えるべく、ゴルフ場もプランの拡充などで対応しています。「少し高くても時短を優先できる」といったプランは今後も増えそうなので、自分のニーズに合うものを探してみてください。

福島睦久