ベストスコア更新を目指して、基本動作の見直しや悪いクセを修正しておこう。今回のテーマは「100ヤード以内の距離コントロール」です。スコアメイクのカギになる100ヤード以内のアプローチショットは、「25ヤード刻みで打ち分けられるようになることが大切」とレッスンプロの海老原秀聡コーチは語ります。距離を打ち分けるポイントはスタンス幅、振り幅、そしてクラブ選択です。

25ヤードはランニングアプローチ! 50ヤードはシャフトが垂直になる振り幅で

 100切りを目指すゴルファーに覚えてもらいたいのが100ヤード以下の距離感です。100、75、50、25ヤードを打ち分けることができれば、残り100ヤード以内から大叩きすることはなくなるはずです。

100ヤード以内の距離コントロールで大切なのはアドレス。打ちたい距離に合わせたスタンス幅とボール位置を覚える
100ヤード以内の距離コントロールで大切なのはアドレス。打ちたい距離に合わせたスタンス幅とボール位置を覚える

 まず、25ヤードの打ち方から解説しましょう。大きく分けると、ボールをキャリーさせてから転がすピッチエンドランと最初からボールを転がすチップショットがありますが、100切りを目指す人は転がすアプローチで25ヤードの距離感をつかむとショットが安定してくるはずです。

 使用するクラブはサンドウェッジ(SW)。スタンス幅は腰幅よりも狭くして、右足親指の前にボールをセットします。グリップ位置を左太モモの前にセットすると、自然にロフトが立って球を転がしやすくなります。

 振り幅は、バックスイング、フィニッシュともに地面とシャフトが平行になるくらいです。

 50ヤードを打つ時もSWがオススメです。腰幅にスタンスを開き、ボール位置はスタンスの真ん中。

 グリップ位置も25ヤードと同じく左太モモの前にセットします。振り幅は、地面に対してシャフトが垂直になる振り幅を意識すると50ヤードが打ちやすくなります。

75ヤードを打つ時は50ヤードと同じアドレスでAWに持ち替える

 続いて75ヤードです。「75ヤードならSWのフルショットで打てる」という人もいると思いますが、SWのフルショットはスピン量が増えるうえ、打点がブレやすく、距離にバラつきがでることがあります。

 それよりもアプローチウェッジ(AW)を使うと再現性を高めることができます。

50ヤードと75ヤードの打ち分けはクラブを替えるだけ。スタンス幅やボール位置、グリップ位置、振り幅を変えずにクラブを換えれば簡単に打ち分けられる
50ヤードと75ヤードの打ち分けはクラブを替えるだけ。スタンス幅やボール位置、グリップ位置、振り幅を変えずにクラブを換えれば簡単に打ち分けられる

 スタンス幅やボール位置、グリップ位置、振り幅は50ヤードを打つ時と全く同じ。SWからAWにクラブを替えれば、プラス25ヤードを簡単に飛ばすことができます。

 100ヤードを打つ時もAWを使いましょう。スタンスは腰よりもやや広くし、ボール位置はスタンスの真ん中。そして、ボールの真上あたりにグリップがくる位置でクラブを握ります。

 他のショットほどハンドファーストをキツくしないことで、スイング中にヘッドが走って球を飛ばしやすくなります。振り幅は、トップの手元の高さは肩よりもやや高め。

 フィニッシュはシャフトが後頭部の後ろにくるまでしっかり振り切ります。この4通りの打ち方で距離を打ち分ければ、100の壁を越えられるはずです。

取材協力・Golf & Fitness Point芝浦

【レッスン】海老原秀聡(えびはら・ひであき)

海老原秀聡(えびはら・ひであき)
海老原秀聡(えびはら・ひであき)

1990年生まれ、東京都出身。水城高校、中央学院大ゴルフ部出身。学生時代は「全国高等学校ゴルフ選手権団体」優勝(07年)、「関東学生ゴルフ選手権会長杯」準優勝(08年)、「全国大学ゴルフ対抗戦団体」3位(09年、10年)などの成績。卒業後は、12年の日本プロゴルフ協会資格認定テストに一発合格。現在は、「Golf & Fitness Point芝浦」でビギナーからアスリートまで幅広いゴルファーにレッスンを行いながら、様々なゴルフメディアでも活躍している。

小澤裕介