名門・川奈ホテルGC富士Cで行われたフジサンケイレディスクラシック。3日間「67」という好スコアを並べた竹田麗央(たけだ・りお)が、初優勝した前週に引き続き2週連続優勝を達成した。

今季5度目の最終日最終組から逃げ切った竹田麗央

◆国内女子プロゴルフ<フジサンケイレディスクラシック 4月19〜21日 川奈ホテルゴルフコース 富士コース(静岡県) 6494ヤード・パー71>

 国内女子ツアーシーズン第8戦となるフジサンケイレディスは、3打差単独首位で最終日に臨んだ竹田が4つスコアを伸ばし、後続を振り切って通算12アンダーで優勝。初優勝からの2週連続優勝という史上4人目の快挙をやってのけた。

 同時にメルセデス・ランキングでも1位にランクアップ。今季2勝を誇るベテラン・鈴木愛との優勝争いを2週連続で制して、今季の台風の目となる活躍ぶりを見せている。

2週連続優勝でメルセデス・ランキングもトップに立った竹田麗央 写真:Getty Images
2週連続優勝でメルセデス・ランキングもトップに立った竹田麗央 写真:Getty Images

 今回の優勝にも初優勝時と同様涙はなく「うれしいです」とほほを染めた。追う立場からの逆転だった初優勝と違い、今回は逃げ切りと違うパターンの優勝で経験値はグンと上がったはずだ。

 今季は8試合中5戦で最終日最終組をプレーしている竹田。調子はいいが、初優勝までには時間がかかった。

 ヤマハレディースオープン葛城では、2打差首位で最終日を迎えながら小祝さくらに逆転負け。自らスコアを落としての敗北に号泣しながら悔しがった。

 だが、この経験が今回生きた。「ヤマハの時はすごい焦っていたので、今回はそれがなかったのもよかったと思います。先週の勝利で『優勝は結果』だということが分かったので、目の前の一打に集中することだけを考えました」と、最終日に自分のプレーをできるようになったことで早い2勝目を手にした。

 次戦のパナソニックオープンレディースでは3週連続優勝もかかるが、「今週も2週連続とか全然考えてなかったので、それがよかったと思う。来週もあんまり考えずにベストを尽くせるようにスタートしたいです」と自然体。平均256.91ヤードの飛距離(ツアー3位)とポーカーフェイスを武器に年間女王へと突き進む。

 先週に続いて優勝争いに加わりながら竹田の前に屈した鈴木も「あれだけ終盤にバーディー取られるとキツイですし、あれだけ短い番手を持たれると苦しい」と激白。同じ最終組で戦ったぶん、その強さを認めた。

 今季は久々にいいスタートを切っている賞金女王2度の鈴木も若い力の追い上げに必死になっている。

「1年間ずっと調子を続かせるのって本当に難しい。誰が(年間女王に)なってもおかしくないと思います」といいながらも、頂点を狙うライバルの一人として竹田を認識。今後も激しいデッドヒートを演じることを予感させた。

 単独2位には未勝利の小林光希。鈴木は3位で大会を終えている。

竹田 麗央(たけだ・りお)

2003年4月2日生まれ、熊本県出身。21年プロテスト合格で同期には櫻井心那、川崎春花、神谷そらなどがいる。母親はツアープロの平瀬哲子、叔母は元賞金女王の平瀬真由美という超サラブレッド家系。23年「KKT杯バンテリンレディスオープン」でツアー初優勝、翌週の「フジサンケイレディスクラシック」でツアー2勝目を挙げる。ヤマエグループHD所属。

e!Golf編集部