ルーカス・グローバーが使用して2週連続優勝を果たすなど、PGAツアーで使用者を伸ばしている「L.A.B. GOLF(ラブ・ゴルフ)」。どのモデルもかなり独特な形状をしているパターですが、気になる使い心地をゴルフイラストレーターの野村タケオさんがインプレッションしてくれました。
パターコンセプトの「トルクフリー」とは?
みなさんこんにちは、ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。ゴルフのスコアを作るのは、なんといってもパッティングです。それは僕たちアマチュアでもプロでも同じこと。
実は最近少し話題になっているパターがあるんです。それはちょっと変わった形をしているのですが、PGAプロが使っていたりするんです。そんなパターをお借りしてラウンドで実際に使ってみたのでレポートさせてもらいます。
最近話題のパター、それが「L.A.B. GOLF(ラブ・ゴルフ)」のパターです。「L.A.B. GOLF」のパターのコンセプトは「トルクフリー」。
これがどういうことかというと、ヘッドのトルクがゼロということで、ストローク中にヘッドの向きが常にスクエアに保たれるということなんですね。最新の研究によると、パッティングにおいて出球の方向の83%は、インパクト時のフェース向きに影響されるということです。
ということは「L.A.B. GOLF」のパターを使うことによって、ストローク中に余計な調整をすることなく、ターゲット方向にボールを転がせるということなんです。
またオフセンターヒットをした時にも、芯で打った時と同じように転がるそうです。なので、パッティングの際にいろいろなことを考える必要がない「フルオートマチック」なパターになっているということです。
「L.A.B. GOLF」にはいくつかのヘッド形状がありますが、僕が使ったのは最新モデルの「DF3」(11万円、税込み)。実は「DF3」の前に「DF2.1」というパターがあったのですが、その形状を少しコンパクトにしたのが「DF3」ということです。
斜めに入っているシャフトも違和感はない
形状ははっきりいって「なにこれ?」って思うようなものです。他社には絶対にないようなヘッド形状なうえに、シャフトがフェース面よりもずいぶん後ろに挿さっています。「こんな形のパターをうまく打てるの?」というのが第一印象です。
ソール面を見ると、たくさんのウエートが装着されています。これはタングステンウエートで、実はパターのパランスが取れるようにかなり計算されて一つひとつ職人さんが取り付けているらしいです。
構えてみると、意外にもかなり目標に対しては構えやすい。ヘッドの座りもよく、ピタッと構えが決まります。シャフトよりもかなり左にフェース面がありますが、個人的にはあまり違和感がありません。
そしてもう一つ大きな特徴として、このパターは普通に構えると少しハンドファーストになるんです。その秘密はグリップに対してシャフトが斜めに入っているから。
なぜこのような形状になっているのかというと、シャフトが前方に傾くことによってロフトが減り、同時にアッパー軌道でインパクトしやすくなるので、キレイな回転でボールが転がるということなんです。それが普段どおりに構えるだけでできるんですね。
思った方向に打ち出せるので「真っすぐ打つ」が簡単に
実際に打ってみると、とても振り心地がいいです。たしかにストローク中にヘッドがどちらかに動いたり、フェース面が開くような感覚が全くありません。なんのストレスもなく、思ったようにストロークできる感じ。これには少し驚きました。
打音はコツっと少し乾いた音で、個人的にはかなり好み。打感は少し軟らかめで、とても気持ちいいです。
ヘッド素材は100% CNC 加工された航空機グレードの 6061 アルミニウムということなので、ほかにはない独特ないい打感になるんでしょうね。
フェース面がシャフトの左にありますが、特に意識することなくいつものようにストロークすればいいインパクトが迎えられます。ボールの転がりもとてもよく、すごくスムーズに転がる感じがしました。
実際に僕は2ラウンドほどこのパターを使いましたが、結果は良好。もともとパットが得意なので、パット数は普段と変わらない1ラウンド32パットぐらいでしたが、1〜1.5メートルぐらいの「これは絶対に入れたい」というパットの入る確率が上がったような気がしました。
思った方向に気持ちよく打ち出せるので、1.5メートルの真っすぐラインなどは、かなり自信を持って打てます。意外と難しい「真っすぐのライン」ですが、それが打ちやすいというのは本当にありがたいです。このあたりがツアープロにも支持されている部分なのかな、と思いました。
形が独特なので、それだけで敬遠してしまう人もいるかと思いますが、とにかく結果が出やすいパターだと思いますので、機会があればぜひ試してみて欲しいと思います。だって結果が出るのが一番ですものね。
野村 タケオ