パッティングの際「下りのラインは難しいから避ける」と戦略を立てるのが一般的な考えですが、なぜ上りよりも下りのほうが難易度が高いと感じるのでしょうか?

重要なのはカップインのイメージ?

 スコアを縮めるうえで、パッティングの上達は大きな鍵を握っているといっても過言ではありません。一般的なアマチュアであれば「グリーンオンして2パットでカップイン」を目標とするのが基本的な戦略でしょう。

 18ホールで考えると、パッティングを36打以内に収めることができればスコアはかなり安定すると言えますが、そう簡単にはいかないところがゴルフの難しさでもあります。特にビギナーやアマチュアは、下りのパットで悪戦苦闘することも多いはずです。

 一体なぜ、上りよりも下りのパットのほうが難しいと感じてしまうのでしょうか。レッスンプロの三浦辰施氏は次のように話します。

パッティングの出来がスコアを左右するといっても過言ではない 写真:unsplash
パッティングの出来がスコアを左右するといっても過言ではない 写真:unsplash

「下りのパットはどうしても傾斜の影響を強く受けるので、普段より弱く打たなければいけません。力加減が難しいことはもちろん、ラインに乗っていたとしても勢いが強いとカップに弾かれてしまう可能性があるのも理由の一つです」

「また、強く打ちすぎてカップを通り過ぎてしまった場合、次打が上りのパットになることが多いですが、気持ちを切り替えて強く打てるアマチュアはほとんどいません。だいたい前の強く打ちすぎたイメージを引きずって弱いパットになってしまい、結果的に3打、4打と打ってしまうケースが多いです」

 さらにグリーン上では、ボールスピードが速いほど曲がり幅も大きくなるので、下りパットはより傾斜を読むのが難しくなります。では、どのようなことに気をつけるといいのでしょうか。

「カップのどこからボールをインさせるかをイメージしてからパットをするのがオススメです。ほとんどのアマチュアは『このぐらいの距離を打とう』と決めていると思いますが、カップのどこからインさせるかを考えている人は少ないです」

「例えば下りのパット時に『カップの手前からストンと落ちるような感じで入れる』とイメージしておけば、強く打ちすぎるリスクを減らすことができます。前もってイメージをしないゴルファーは、カップを通り過ぎたあとどのくらい転がっていくのかも分からないので、結果的に多くの打数を要してしまうのです」

下りのパットを残さないマネジメントも大切

セオリー通り手前から慎重に攻めていくのが無難 写真:AC
セオリー通り手前から慎重に攻めていくのが無難 写真:AC

 三浦氏はさらに「下りのパットを残さない攻め方を考えるのも有効である」と言い、以下のように話を続けます。

「例えば、受けグリーンの場合は手前から奥に上っているので、オーバーすると下りのパットが残ってしまいます。このことからも、下りの難しいパットを残さないためになるべく手前から攻めるような意識が大切でしょう」

 近年はカートに備え付けられているナビゲーションでもグリーンの形状を確認することができるので、事前に見ておくだけでもコース攻略のヒントを得られるはずです。特に日本のゴルフ場は受けグリーンが多いので、このような攻め方を知っているかどうかでスコアにも大きな影響を与えます。

 下りのパットは上級者でも難しいと感じるものなので、ビギナーであればなおさら大叩きしてしまう可能性も。攻略のためにはカップインのイメージを持つことに加え、下りのパットを残さないようなマネジメントもスコアメイクのうえでは必要であると言えそうです。

ピーコックブルー